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平成の大合併は、どの県でどれだけ進んだか

まちの系譜・読み物 更新:2026-10-24

1999年3月末から2010年3月末までの11年間に、全国の市町村の数はおよそ半分になりました。いわゆる平成の大合併です。けれども、その進み方は都道府県によって大きく違います。7割以上の市町村が姿を消した県がある一方で、ひとつしか減らなかった都や府もあります。この記事では、総務省の公式の数と、まちの系譜で調べた市町村の数をもとに、平成の大合併がどこでどれだけ進んだのかを比べ、半世紀前の昭和の大合併とも並べてみます。

二つの大合併と、この記事の物差し

昭和の大合併は、1953年10月1日に町村合併促進法が施行されてから、1961年6月30日に新市町村建設促進法の期限を迎えるまでの時期を指します。この記事では、この二つの日付の市町村の数を比べて、昭和の大合併で減った割合とします。平成の大合併は、1999年3月31日と2010年3月31日の数を比べます。

全国では、昭和の大合併の間に9,950あった市町村が3,539になり、約64%減りました。平成の大合併では、総務省の「都道府県別市町村数の変遷」で、1999年3月31日に3,232あった市町村が2010年3月31日には1,727になり、約47%減りました。昭和の大合併の数はまちの系譜で数えたもので、東京23区を一つずつ数えるなど数え方が少し違います。

下のグラフは、平成の大合併で減った割合の大きい順に47都道府県を並べたものです。いちばん上といちばん下では、減り方に70ポイント以上の開きがあります。

長崎県73.4%(79→21)広島県73.3%(86→23)新潟県73.2%(112→30)愛媛県71.4%(70→20)大分県69.0%(58→18)山口県66.1%(56→19)岡山県65.4%(78→27)島根県64.4%(59→21)秋田県63.8%(69→25)滋賀県62.0%(50→19)香川県60.5%(43→17)佐賀県59.2%(49→20)三重県58.0%(69→29)山梨県57.8%(64→27)岐阜県57.6%(99→42)富山県57.1%(35→15)鹿児島県55.2%(96→43)兵庫県54.9%(91→41)石川県53.7%(41→19)静岡県52.7%(74→35)熊本県52.1%(94→45)徳島県52.0%(50→24)福井県51.4%(35→17)鳥取県51.3%(39→19)宮城県50.7%(71→35)群馬県50.0%(70→35)茨城県48.2%(85→44)栃木県44.9%(49→27)岩手県42.4%(59→34)京都府40.9%(44→26)宮崎県40.9%(44→26)青森県40.3%(67→40)和歌山県40.0%(50→30)福岡県38.1%(97→60)長野県35.8%(120→77)高知県35.8%(53→34)愛知県35.2%(88→57)福島県34.4%(90→59)千葉県32.5%(80→54)埼玉県30.4%(92→64)沖縄県22.6%(53→41)山形県20.5%(44→35)奈良県17.0%(47→39)北海道15.6%(212→179)神奈川県10.8%(37→33)東京都2.5%(40→39)大阪府2.3%(44→43)
平成の大合併(1999年3月31日→2010年3月31日)で、市町村の数がどれだけ減ったか。かっこの中は総務省「都道府県別市町村数の変遷」による市町村の数(東京23区を含まない)。

7割以上減った長崎・広島・新潟

減った割合がいちばん大きいのは長崎県で、1999年に79あった市町村が2010年には21になりました。広島県は86から23、新潟県は112から30で、この3県はいずれも約73%減っています。愛媛県(70から20)、大分県(58から18)が続きます。

上位10県のうち8県は、近畿・中国・四国・九州の県です。中国・四国・九州では、平成の大合併のあとに残った市町村の数が20前後という県が珍しくありません。東日本で上位に入ったのは、新潟県と秋田県(69から25)でした。

ほとんど変わらなかった東京・大阪・神奈川

反対に、東京都は40から39(23区を除く)、大阪府は44から43で、平成の大合併で減ったのはそれぞれひとつだけでした。東京都で減ったのは、2001年1月21日に田無市と保谷市が合併して西東京市が生まれたときです。大阪府では、2005年2月1日に南河内郡美原町が堺市に編入されました。

神奈川県は37から33になりました。減った4つは、すべて相模原市への編入です。2006年3月20日に津久井町と相模湖町が、2007年3月11日に城山町と藤野町が加わり、相模原市は山あいの地域まで広がりました。

北海道も212から179で、減り方は約16%にとどまります。それでも179という数は全国の市町村の約1割にあたり、北海道は今も市町村がいちばん多い道府県です。奈良県(47から39)と山形県(44から35)も、平成の大合併で減った割合が小さい県です。

昭和の大合併と並べると

山形県は昭和の大合併で222が48になり、約78%減りました。これは昭和の大合併で減った割合として全国でいちばん大きな数字です。その山形県が、平成の大合併では約21%しか減っていません。昭和の時期に、すでに大きなまとまりができあがっていたことがわかります。

逆の動きをしたのが長崎県と鹿児島県です。長崎県は昭和の大合併の間に160が83になり、減り方は約48%でした。鹿児島県は142が98で、約31%です。この2県は平成になってから大きく数を減らしました。

沖縄県は、昭和の大合併の間に66から62と、わずかしか減っていません。当時の沖縄はアメリカの統治下にあり、日本の合併を進める法律の外にありました。平成の大合併では53が41になっています。

都道府県1953年1961年1999年2010年
山形県222484435
石川県179434119
新潟県38311711230
広島県3281108623
長崎県160837921
鹿児島県142989643
沖縄県66625341
北海道278224212179

数字の裏にある合併の姿

長崎県の島々では、平成の合併で島がひとつの市にまとまりました。2004年3月1日、対馬では厳原町・美津島町・豊玉町・峰町・上県町・上対馬町の6町が合併して対馬市が、壱岐では郷ノ浦町・勝本町・芦辺町・石田町の4町が合併して壱岐市が生まれました。同じ年の8月1日には、福江市と富江町・玉之浦町・三井楽町・岐宿町・奈留町が合併して五島市になっています。

新潟県の上越市には、2005年1月1日に13の町村が一度に編入されました。東頸城郡の安塚町・浦川原村・大島村・牧村、中頸城郡の柿崎町・大潟町・頸城村・吉川町・中郷村・板倉町・清里村・三和村、西頸城郡の名立町です。同じ年の3月21日には、新潟市にも新津市・白根市・豊栄市など12の市町村が編入されました。

広島県では、合併によって郡が次々に消えました。2004年4月1日の三次市の合併で双三郡が、2005年3月31日の庄原市の合併で比婆郡と甲奴郡がなくなりました。福山市は2003年から2006年にかけて内海町・新市町・沼隈町・神辺町を編入し、芦品郡・沼隈郡・深安郡が姿を消しています。

この記事の数字について

1999年と2010年の都道府県ごとの数は、総務省「都道府県別市町村数の変遷」によります(東京23区は含みません)。1953年と1961年の数は、まちの系譜が各市町村の年表をもとに数えたものです。減った割合は、期間の初めの数に対する減った数の割合で、小数第1位まで求めています。

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出典・参考