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新幹線の60年 ─ 延びた順番と、縮んだ時間

日本の鉄道史・読み物 更新:2026-10-25

1964年10月1日に東京〜新大阪で開業した新幹線は、60年かけて北は北海道の新函館北斗、南は鹿児島中央と長崎まで延びました。開業した区間の営業キロを開業日の順に足していくと、新幹線の60年は、一気に延びた国鉄の時代、ほとんど延びなかった空白の12年、そして少しずつ延びる整備新幹線の時代に、はっきり分かれます。

営業キロの累計で見る60年

下のグラフは、新幹線の各区間が開業した年に、その区間の営業キロを足していったものです。フル規格の新幹線は2025年に約3,170kmになりました。これに、在来線の線路の幅を広げて新幹線の車両を乗り入れさせた「ミニ新幹線」(山形新幹線・秋田新幹線)の約276kmが加わります。

05001,0001,5002,0002,5003,0003,50019641975198519952005201520252025年 フル規格 3,170km

■ フル規格の新幹線■ ミニ新幹線(山形・秋田)単位:km(営業キロ)

各区間の開業の年に、その区間の営業キロを足していったもの。在来線あつかいの博多南線・ガーラ湯沢支線は含めていません。

国鉄の時代(1964〜1985年):21年で約2,000km

最初の東海道新幹線は552.6kmで、それだけで今の新幹線の6分の1ほどにあたります。続いて山陽新幹線が1972年に岡山まで、1975年に博多まで延び、東京から博多までの約1,070kmが1本につながりました。

1982年には東北新幹線の大宮〜盛岡と上越新幹線の大宮〜新潟が開業し、1985年には上野まで延びました。ここまでの21年で、フル規格の新幹線は約2,010kmになっています。どれも国鉄が自分で計画し、自分で造った新幹線です。

空白の12年(1985〜1997年)と、ミニ新幹線

1985年から1997年までの12年間、新しく開業したフル規格の新幹線は、1991年の東京〜上野の3.6kmだけでした。1973年には、北海道・東北(盛岡以北)・北陸・九州の鹿児島ルートと長崎ルートの「整備新幹線」5線の計画が決まっていましたが、国鉄の財政が悪化し、1982年には建設がいったん見送られます。1987年に国鉄は分割・民営化されてJRとなり、整備新幹線は国と地元がお金を出して造る仕組みに改められて、ようやく工事が動き出しました。

この空白を埋めたのが、ミニ新幹線です。新しい線路を造るかわりに、在来線の線路の幅を新幹線と同じ1,435mmに広げ、東京から新幹線の車両がそのまま乗り入れられるようにしました。1992年の山形新幹線(福島〜山形)、1997年の秋田新幹線(盛岡〜秋田)、1999年の山形新幹線の新庄への延長がこれにあたります。

整備新幹線の時代(1997年〜):少しずつ、遠くへ

1997年10月、北陸新幹線の高崎〜長野(当時は長野新幹線とよばれました)が開業し、整備新幹線の最初の区間となりました。それからは、東北新幹線の八戸(2002年)・新青森(2010年)、九州新幹線の新八代〜鹿児島中央(2004年)と博多〜新八代(2011年)、北陸新幹線の金沢(2015年)、北海道新幹線の新函館北斗(2016年)、西九州新幹線の武雄温泉〜長崎(2022年)、北陸新幹線の敦賀(2024年)と、数年おきに延びています。

国鉄の時代とくらべると、1回に開業する区間が短いのが特徴です。整備新幹線は、国の鉄道・運輸機構が線路を造って持ち、JRが借りて走らせています。お金の出し方が決まった区間から順に造られるため、一度に延びる長さは、数十kmから200kmあまりになりました。また、開業のたびに並行する在来線がJRから切り離され、第三セクターの会社に移っています(別の記事「国鉄・JRから離れた線路」)。

開業した区間の一覧

フル規格の新幹線とミニ新幹線の、開業した区間をすべて開業日の順に並べました。営業キロは、それぞれの区間の両端の駅のキロ程の差です。

開業日路線区間営業キロ
1964年10月1日東海道新幹線東京〜新大阪552.6km
1972年3月15日山陽新幹線新大阪〜岡山180.3km
1975年3月10日山陽新幹線岡山〜博多442.0km
1982年6月23日東北新幹線大宮〜盛岡505.0km
1982年11月15日上越新幹線大宮〜新潟303.6km
1985年3月14日東北新幹線上野〜大宮26.7km
1991年6月20日東北新幹線東京〜上野3.6km
1992年7月1日山形新幹線(ミニ)福島〜山形87.1km
1997年3月22日秋田新幹線(ミニ)盛岡〜秋田127.3km
1997年10月1日北陸新幹線高崎〜長野117.4km
1999年12月4日山形新幹線(ミニ)山形〜新庄61.5km
2002年12月1日東北新幹線盛岡〜八戸96.6km
2004年3月13日九州新幹線新八代〜鹿児島中央137.6km
2010年12月4日東北新幹線八戸〜新青森81.8km
2011年3月12日九州新幹線博多〜新八代151.3km
2015年3月14日北陸新幹線長野〜上越妙高59.5km
2015年3月14日北陸新幹線上越妙高〜金沢168.6km
2016年3月26日北海道新幹線新青森〜新函館北斗148.8km
2022年9月23日西九州新幹線武雄温泉〜長崎69.6km
2024年3月16日北陸新幹線金沢〜敦賀125.1km

在来線あつかいの博多南線(1990年)と上越線のガーラ湯沢支線(1990年)は含めていません。東北新幹線の上野〜大宮(1985年)と東京〜上野(1991年)は、あとから都心側に延びた区間です。

縮んだ時間:東京からの最速の所要時間

新幹線が延びるたびに、東京からの所要時間は大きく縮みました。東京〜大阪は、在来線の特急「こだま」で6時間50分(1958年)かかっていたのが、新幹線の開業で4時間、翌年には3時間10分になりました。その後、1992年に「のぞみ」が走り始めて2時間30分、2015年には2時間22分です。

東京〜博多は、山陽新幹線が全線開業した1975年の「ひかり」で6時間56分でした。1997年には、時速300kmで走る500系の「のぞみ」が4時間49分で結んでいます。東北・北陸の新幹線では、新青森まで2時間59分(2013年)、金沢まで2時間28分(2015年)です。

区間年月列車最速の所要時間
東京 → 大阪(新大阪)1958年11月特急「こだま」6時間50分
東京 → 大阪(新大阪)1960年6月特急「こだま」「つばめ」6時間30分
東京 → 大阪(新大阪)1964年10月「ひかり」4時間
東京 → 大阪(新大阪)1965年11月「ひかり」3時間10分
東京 → 大阪(新大阪)1986年11月「ひかり」2時間56分
東京 → 大阪(新大阪)1992年3月「のぞみ」2時間30分
東京 → 大阪(新大阪)2015年3月「のぞみ」2時間22分
東京 → 博多1975年3月「ひかり」6時間56分
東京 → 博多1993年3月「のぞみ」5時間04分
東京 → 博多1997年3月「のぞみ」4時間49分
東京 → 新青森2010年12月「はやて」3時間20分
東京 → 新青森2011年3月「はやぶさ」3時間10分
東京 → 新青森2013年3月「はやぶさ」2時間59分
東京 → 金沢2015年3月「かがやき」2時間28分

時刻表の下りの最速列車の所要時間です。1964年9月までの東京〜大阪は在来線の特急です。

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出典・参考