16月5日 1:30(現地 4日 4:30)
ミッドウェー島へ第一次攻撃隊 108機
ミッドウェー島の攻略をめざす南雲機動部隊は、夜明け前に友永丈市大尉の率いる第一次攻撃隊108機を島へ送り出した。同時に索敵機を扇形に放ったが、重巡利根の4号機はカタパルトの故障で30分遅れて発進した。米国は日本の暗号を解読しており、3隻の空母が島の北東で待ち構えていた。
合戦絵巻 ─ 太平洋戦争 勢力図
6月5日 1:30(現地 4日 4:30)
1942年(昭和17年)6月5日から7日(現地時間4日から6日)にかけて、中部太平洋のミッドウェー島の沖で、日本海軍の機動部隊が、待ち伏せていたアメリカの空母部隊に敗れた。日本は主力空母4隻(赤城・加賀・蒼龍・飛龍)を失い、多くの熟練した搭乗員も失った。太平洋戦争の流れを変えた戦いである。
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1942年4月、アメリカの空母から飛び立ったB-25爆撃機が東京などを空襲した(ドーリットル空襲)。被害は小さかったが、本土を守れなかったことに日本海軍は大きな衝撃を受けた。
連合艦隊司令長官の山本五十六は、ハワイの北西にあるミッドウェー島を攻め落とし、それを取り返しに出てくるアメリカの空母部隊を誘い出して全滅させる作戦を立てた。
ところがアメリカは、日本海軍の暗号を解読して、攻撃の目標と日時をつかんでいた。空母エンタープライズ・ホーネット・ヨークタウンの3隻が、ミッドウェー島の北東で日本の機動部隊を待ち構えていた。
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16月5日 1:30(現地 4日 4:30)
ミッドウェー島の攻略をめざす南雲機動部隊は、夜明け前に友永丈市大尉の率いる第一次攻撃隊108機を島へ送り出した。同時に索敵機を扇形に放ったが、重巡利根の4号機はカタパルトの故障で30分遅れて発進した。米国は日本の暗号を解読しており、3隻の空母が島の北東で待ち構えていた。
23:30頃(現地 6:30頃)
迎え撃った島の戦闘機隊は零戦に撃ち落とされ、攻撃隊は島の施設を爆撃した。しかし飛行場の破壊は不十分で、友永隊長は「第二次攻撃の要あり」と打電した。島の米軍機は、すでに機動部隊に向けて飛び立っていた。
34:05〜(現地 7:05〜)
島から飛び立った雷撃機・B-17・急降下爆撃機が次々に機動部隊を襲ったが、零戦に撃退され、命中弾はなかった。南雲長官は島への第二次攻撃を決め、敵艦隊に備えて魚雷を積んで待機していた艦攻の兵装を、陸上用の爆弾に換えるよう命じた。
44:28(現地 7:28)
遅れて出た利根4号機が、米艦隊を発見した。やがて「空母らしきもの1隻を伴う」との続報が届く。南雲長官は、島から戻る攻撃隊の収容を先にし、爆弾をふたたび魚雷に換えさせた。格納庫には外した爆弾や燃料を積んだ機体があふれた。このころ米空母からは、すでに攻撃隊が飛び立っていた。
56:20〜7:20(現地 9:20〜10:20)
米空母の雷撃隊が、戦闘機の護衛なしに相次いで低空から突入した。零戦に次々と撃墜され、ホーネットの雷撃隊15機は全滅、生き残ったのは1人だけだった。魚雷は1本も当たらなかった。しかし零戦は雷撃機を追って低空に集まり、上空の守りはがら空きになった。飛龍は雲の下で本隊から離れていった。
67:22〜7:26(現地 10:22〜10:26)
上空に現れたマクラスキー少佐のエンタープライズ艦爆隊と、ヨークタウンの艦爆隊が急降下した。加賀・赤城・蒼龍に爆弾が命中し、甲板に並んだ燃料満載の艦載機や格納庫の爆弾・魚雷が次々に誘爆して、3隻はわずか数分で炎に包まれた。
78:00〜9:10(現地 11:00〜12:10)
残った飛龍の山口多聞少将は、ただちに反撃を命じた。小林道雄大尉の艦爆18機はヨークタウンに爆弾3発を命中させた。ヨークタウンは一時停止したが、応急修理で航行を再開した。
811:30頃(現地 14:30頃)
友永大尉の艦攻隊が、修理を終えて走り出したヨークタウンを別の無傷の空母と思い込んで雷撃し、魚雷2本を命中させた。ヨークタウンは大きく傾き、乗員は退艦した。友永大尉は帰らなかった。
914:03(現地 17:03)
エンタープライズとヨークタウンの艦爆24機が飛龍を見つけ、爆弾4発を命中させた。飛龍も炎上し、日本の主力空母4隻はすべて戦う力を失った。
106月5日夜〜6月7日
加賀と蒼龍はその日の夕方に沈み、赤城と飛龍は翌朝、味方の駆逐艦の魚雷で処分された。飛龍の山口少将は艦と運命をともにした。6月7日、曳航中のヨークタウンは伊168潜水艦の魚雷を受けて、護衛の駆逐艦ハムマンとともに沈んだ。
11結果
日本:空母4隻(赤城・加賀・蒼龍・飛龍)と重巡三隈が沈没し、航空機約290機と、多くの熟練した整備員・搭乗員を含む約3000人を失った。米国:空母ヨークタウンと駆逐艦ハムマン、航空機約150機を失い、約300人が戦死した。暗号解読による待ち伏せ、索敵の遅れ、兵装転換の混乱が重なった敗北だった。日本はこの後、空母戦力を立て直せず、戦争の主導権は米国に移った。
アメリカは、日本の作戦の目標と日時をつかみ、空母を前もって有利な位置に置いていた。日本側は、アメリカの空母が近くにいるとは考えていなかった。
南雲長官は、ミッドウェー島への第二次攻撃のため、艦攻の魚雷を陸上用の爆弾に換えるよう命じた。その直後に米艦隊発見の報が入り、ふたたび魚雷に換えさせた。格納庫には、外した爆弾や燃料を積んだ機体があふれた。
護衛なしで突入した米雷撃隊は次々に撃墜されたが、零戦が低空に集まったことで、上空ががら空きになった。そこへ米艦爆隊が急降下し、燃料や爆弾が誘爆して、3隻の空母がわずか数分で炎に包まれた。
機動部隊の司令長官。兵装転換をめぐる判断は、敗因の一つとしてのちに厳しく論じられた。
空母飛龍を率いた第二航空戦隊の司令官。ただ一隻で反撃を続け、ヨークタウンを戦えなくしたが、飛龍と運命をともにした。
アメリカ太平洋艦隊司令長官。暗号解読の情報を信じて空母を送りこみ、待ち伏せを成功させた。
エンタープライズの艦爆隊を率いた。燃料が尽きかける中で日本の機動部隊を見つけ、急降下爆撃で空母を炎上させた。
日本は空母4隻と重巡三隈を失い、航空機約290機と、熟練した整備員・搭乗員を含む約3000人を失った。アメリカは空母ヨークタウンと駆逐艦ハムマン、航空機約150機を失い、約300人が戦死した。
日本はこの後、空母部隊を立て直すことができず、戦争の主導権はアメリカに移った。8月、アメリカ軍はソロモン諸島のガダルカナル島に上陸し、日本は守る側に回っていく。
攻撃隊の発艦まであと5分というところで急降下爆撃を受けた――という「運命の5分」の話は、戦後の淵田美津雄らの著書で広まった。しかし、のちの研究では、攻撃隊の発艦準備はまだ整っていなかったとされ、この話は事実ではないと考えられている。
暗号を解読されていたこと、索敵の不足と遅れ、兵装転換の混乱、空母の防御の弱さなど、多くの原因が重なった。指揮官の判断ミスだけでなく、作戦の立て方や情報の扱い方そのものに問題があったとする見方が強い。
| 1941年12月 | 真珠湾攻撃 |
|---|---|
| 1942年4月18日 | ドーリットル空襲 |
| 1942年5月 | 珊瑚海海戦 |
| 1942年6月5日〜7日 | ミッドウェー海戦 |
| 1942年8月 | アメリカ軍がガダルカナル島に上陸 |
| 1943年2月 | 日本軍がガダルカナル島から撤退 |
| 部隊 | 兵力 | その後 |
|---|---|---|
| 赤城 | 1隻 | 沈没 |
| 加賀 | 1隻 | 沈没 |
| 蒼龍 | 1隻 | 沈没 |
| 飛龍 | 1隻 | 沈没 |
| 榛名 | 1隻 | |
| 霧島 | 1隻 | |
| 利根 | 1隻 | |
| 筑摩 | 1隻 | |
| 長良 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 九七艦攻36機(水平爆撃) | 36機 | |
| 九九艦爆36機 | 36機 | |
| 零戦36機 | 36機 | |
| 利根4号機 | 1機 | |
| 直掩の零戦 | 直掩の零戦 | |
| 飛龍 第一次攻撃隊(小林隊) | 18機 | |
| 飛龍 第二次攻撃隊(友永隊) | 10機 | 戦死・壊滅 |
| 伊168潜水艦 | 1隻 |
| 部隊 | 兵力 | その後 |
|---|---|---|
| サンド島 | 基地 | 炎上 |
| イースタン島(飛行場) | 飛行場 | 炎上 |
| エンタープライズ | 1隻 | |
| ホーネット | 1隻 | |
| ヨークタウン | 1隻 | 沈没 |
| 巡洋艦 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 巡洋艦 | 1隻 | |
| 駆逐艦ハムマン | 1隻 | 沈没 |
| 島の戦闘機隊 | 約25機 | 戦死・壊滅 |
| TBF・B-26 雷撃隊 | 10機 | 戦死・壊滅 |
| B-17 爆撃隊 | 15機 | |
| SBD・SB2U 爆撃隊 | 27機 | 戦死・壊滅 |
| ホーネット雷撃隊(VT-8)15機 | 15機 | 戦死・壊滅 |
| エンタープライズ雷撃隊(VT-6) | 14機 | 戦死・壊滅 |
| ヨークタウン雷撃隊(VT-3) | 12機 | 戦死・壊滅 |
| エンタープライズ艦爆隊(マクラスキー) | 約30機 | |
| ヨークタウン艦爆隊(VB-3) | 17機 | |
| エンタープライズ・ヨークタウン艦爆隊 24機 | 24機 |
決め手
上空に現れたマクラスキー少佐のエンタープライズ艦爆隊と、ヨークタウンの艦爆隊が急降下した。加賀・赤城・蒼龍に爆弾が命中し、甲板に並んだ燃料満載の艦載機や格納庫の爆弾・魚雷が次々に誘爆して、3隻はわずか数分で炎に包まれた。
部隊の位置・兵力は通説にもとづく概略です。兵力には諸説があります。粒の1つがおよそ100人(船は1艘)を表します。この戦いは「太平洋戦争 勢力図」の中でも、アニメとして見られます。
主な参考:防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 ミッドウェー海戦』(朝雲新聞社)、澤地久枝『記録 ミッドウェー海戦』(文藝春秋)