15月3日〜4日
ツラギ占領と米空母の空襲
日本軍はニューギニアのポートモレスビー攻略(MO作戦)の足がかりとして、5月3日にソロモン諸島のツラギを占領した。翌日、米空母ヨークタウンの艦載機がツラギを空襲した。暗号解読で日本の計画を知った米軍は、2隻の空母を珊瑚海に送り込んでいた。
合戦絵巻 ─ 太平洋戦争 勢力図
5月3日〜4日
1942年(昭和17年)5月7日から8日にかけて、ニューギニアとオーストラリアのあいだの珊瑚海で、日本とアメリカの空母部隊が戦った。両軍の艦隊は一度も互いの姿を見ることなく、艦載機だけで戦った。史上初めての空母どうしの海戦である。
上の観戦プレイヤーでは、兵を1粒=100人、船を1粒=1艘で描き、布陣から決着までの7つの場面を再生する。場面のボタンで、見たいところへ飛べる。
開戦から半年、日本軍は東南アジアから太平洋の島々まで勢力を広げた。次に目指したのは、ニューギニア南岸のポートモレスビーだった。ここを押さえれば、オーストラリアを脅かし、アメリカとオーストラリアの連絡を断つことができる(MO作戦)。
アメリカは日本海軍の暗号を解読して、この計画を知っていた。空母レキシントンとヨークタウンを珊瑚海に送りこみ、待ち構えた。
日本側は、空母翔鶴・瑞鶴の機動部隊と、軽空母祥鳳に守られた輸送船団を送りこんだ。
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15月3日〜4日
日本軍はニューギニアのポートモレスビー攻略(MO作戦)の足がかりとして、5月3日にソロモン諸島のツラギを占領した。翌日、米空母ヨークタウンの艦載機がツラギを空襲した。暗号解読で日本の計画を知った米軍は、2隻の空母を珊瑚海に送り込んでいた。
25月5日〜6日
空母翔鶴・瑞鶴の機動部隊はソロモン諸島の東を回り込んで珊瑚海に入った。輸送船団は軽空母祥鳳に守られてラバウルを出撃し、ジョマール水道をめざした。米第17任務部隊も西から接近したが、両軍とも相手の位置をつかめなかった。
35月7日 午前
日本の索敵機は、給油艦ネオショーと駆逐艦シムスを「空母と巡洋艦」と誤って報告した。五航戦は全力の攻撃隊78機を送り、シムスを撃沈、ネオショーを大破させたが、本物の米空母は別の場所にいた。
45月7日 午前
一方、米軍も「空母2隻」との誤った報告をもとに攻撃隊93機を送り出したが、たまたまその近くにいた軽空母祥鳳を発見した。祥鳳は爆弾と魚雷を次々に受けて沈んだ。日本の空母が沈んだのはこれが初めてだった。
55月8日 朝
翌朝、両軍はほぼ同時に相手を見つけて攻撃隊を放ち、攻撃隊どうしが空中ですれ違った。レキシントンは魚雷2本と爆弾を受け、ヨークタウンも爆弾1発を受けた。翔鶴は爆弾3発を受けて飛行甲板が使えなくなったが、瑞鶴はスコールに隠れて無傷だった。
65月8日 午後
いったんは火災を消し止めたレキシントンだったが、漏れたガソリンの気化ガスに引火して大爆発が続き、最後は味方の駆逐艦の魚雷で処分された。一方、日本側も空母の艦載機を大きく失ったため、井上成美中将はポートモレスビー攻略の延期を決め、輸送船団は引き返した。
7結果
日本:軽空母祥鳳が沈み、翔鶴が大破、多くの艦載機と搭乗員を失った。米国:空母レキシントン、駆逐艦シムス、給油艦ネオショーを失った。沈めた艦の大きさでは日本の勝ちだったが、ポートモレスビー攻略は中止となり、日本の南進は初めて止められた。翔鶴は修理、瑞鶴は搭乗員の補充が必要となり、1か月後のミッドウェー海戦に参加できなかった。
両軍とも相手の位置を正しくつかめなかった。日本の索敵機は給油艦を空母と見誤り、全力の攻撃隊を送りこんでしまった。アメリカも誤った報告をもとに攻撃隊を出したが、たまたま近くにいた祥鳳を見つけて沈めた。
翌朝、両軍はほぼ同時に相手を見つけ、攻撃隊を放った。攻撃隊どうしは空中ですれ違い、それぞれの空母に襲いかかった。
レキシントンは一度は火災を消し止めたが、漏れたガソリンの気化ガスに引火して大爆発を起こし、沈んだ。燃料と爆弾を抱えた空母が、いかに燃えやすいかを示した。
第四艦隊司令長官として作戦を指揮した。空母の艦載機を大きく失ったため、ポートモレスビー攻略の延期を決めた。
アメリカ第17任務部隊の司令官。翌月のミッドウェー海戦でも空母部隊を率いた。
日本は軽空母祥鳳を失い、空母翔鶴が大破、多くの艦載機と搭乗員を失った。アメリカは空母レキシントンなどを失った。沈めた艦の大きさでは日本の勝ちともいえたが、ポートモレスビー攻略は延期され、日本の南への進出は初めて止められた。
翔鶴は修理が必要になり、瑞鶴も搭乗員を補充しなければならなかったため、2隻とも1か月後のミッドウェー海戦に参加できなかった。一方、損傷したヨークタウンは、わずか3日ほどの突貫工事で修理され、ミッドウェーに間に合った。
戦術の上では日本の勝ち、作戦の上ではアメリカの勝ちとされることが多い。日本は艦の損害では勝ったが、目的のポートモレスビー攻略を果たせず、ミッドウェーに空母2隻を出せなくなった。
| 1942年1月 | 日本軍がラバウルを占領 |
|---|---|
| 1942年5月3日 | 日本軍がツラギを占領 |
| 1942年5月7日 | 祥鳳が沈む |
| 1942年5月8日 | 空母どうしの攻撃。レキシントンが沈む |
| 1942年6月 | ミッドウェー海戦 |
| 1942年8月 | ガダルカナル島の戦いが始まる |
| 部隊 | 兵力 | その後 |
|---|---|---|
| 翔鶴 | 1隻 | 炎上 |
| 瑞鶴 | 1隻 | |
| 巡洋艦 | 1隻 | |
| 巡洋艦 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| MO攻略部隊(輸送船団) | 約12隻 | |
| 輸送船 | 1隻 | |
| 輸送船 | 1隻 | |
| 巡洋艦 | 1隻 | |
| 軽空母 祥鳳 | 1隻 | 沈没 |
| ツラギ攻略部隊 | 1隻 | 損害 |
| 五航戦攻撃隊 78機 | 78機 | |
| 五航戦攻撃隊 艦爆 | 約33機 | |
| 五航戦攻撃隊 艦攻(雷撃) | 約18機 |
| 部隊 | 兵力 | その後 |
|---|---|---|
| レキシントン | 1隻 | 沈没 |
| ヨークタウン | 1隻 | 損害 |
| 巡洋艦 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 駆逐艦隊 | 1隻 | |
| 給油艦ネオショー | 1隻 | 炎上 |
| 駆逐艦シムス | 1隻 | 沈没 |
| ヨークタウン攻撃隊 | 約40機 | |
| レキシントン・ヨークタウン攻撃隊 93機 | 93機 | |
| 米攻撃隊 75機 | 75機 |
決め手
翌朝、両軍はほぼ同時に相手を見つけて攻撃隊を放ち、攻撃隊どうしが空中ですれ違った。レキシントンは魚雷2本と爆弾を受け、ヨークタウンも爆弾1発を受けた。翔鶴は爆弾3発を受けて飛行甲板が使えなくなったが、瑞鶴はスコールに隠れて無傷だった。
部隊の位置・兵力は通説にもとづく概略です。兵力には諸説があります。粒の1つがおよそ100人(船は1艘)を表します。この戦いは「太平洋戦争 勢力図」の中でも、アニメとして見られます。
主な参考:防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書』(朝雲新聞社)