路線クロニクル日本の鉄道史 ─ 1路線の一生を再生する

路線クロニクル

三江線1930年開業・2018年廃止

江津〜三次 (廃止)

三江線は、島根県の江津から、中国地方最大の川である江の川に沿って、広島県の三次まで約108kmを結んでいたJR西日本の路線である。2018年に廃止された。人口の少ない山あいを抜ける、長い路線として全国に知られていた。

最も長かったころ
108 km(1975年)
駅の数
36駅
開業
1930年
廃止
2018年

この路線のなりたち

三江線は、広島県の三次と島根県の江津を結ぶ路線として計画された。江津から石見川本方面へは1930年代に、三次から口羽方面へは1950年代から60年代にかけて、それぞれ別々に延びた。両者がつながって全線が開通したのは、1975年ごろである。

江の川は、広島県北部から島根県の日本海へ流れ込む大河である。鉄道が少ない中国山地の山あいを結ぶとともに、日本海側と瀬戸内側の都市を結ぶ路線として期待されたが、全線の開通が遅くなったうえ、道路の整備が進んだ時期とも重なった。

路線の歩み

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11930〜1937年

開業

1930年から1937年にかけて、三江線の約50kmの線路が開業した。江津・川平・川戸・石見江津・石見川越などの駅が、このころ開業している。

21949年

国鉄の路線に

1949年、国の鉄道は日本国有鉄道(国鉄)となり、この路線も国鉄の線になった。

31975年

延伸

1975年、約108kmの線路が開業した。石見松原・石見都賀・宇都井・潮・沢谷などの駅が、このころ開業している。

41987年

JRへ

1987年4月、国鉄の分割民営化で、この路線はJR西日本の路線となった。

52018年

三江線、廃止

2018年、残る約108kmが廃止され、三江線は姿を消した。長谷・船佐・所木・尾関山・信木などの駅もなくなった。

6廃止のあと

廃線跡

線路の跡は、灰色の点線で描いている。駅の跡や鉄橋などが、いまも沿線に残っていることがある。

この路線の見どころ

江の川に沿う景色

沿線は、江の川の流れと山々が続く、静かな谷あいである。川霧が立つ朝や、紅葉の季節の景色は、とくに美しいといわれる。

天空の駅

宇都井駅は、高い高架の上にある駅で、「天空の駅」と呼ばれた。高いところにある駅として、全国の鉄道ファンから注目された。

全線がつながるまで

路線の北と南から別々に建設された経緯は、国鉄の地方路線の建設が、時代とともに計画を変えながら進んだことを示している。

小さな駅

駅はいずれも山あいの小さな集落にあり、長谷、所木、信木などは、利用の少ない無人の駅も多かった。

廃止のあと

三江線は、沿線の人口の減少にともなって利用者が少なくなり、JR西日本の路線の中でも、とくに利用が少ない路線の一つとされた。豪雨で被害を受けて長期間不通となったこともあり、2018年3月に廃止された。

廃止のあとは、沿線の自治体などが中心となって、バスや乗合タクシーなどの交通が整えられている。宇都井駅の高架など、一部の施設は現在も残されているといわれる。

区間の開業(年ごと)

地図データ上の線路の長さを、開業した年ごとに足したもの(公式の営業キロとは少し違います)。1950年より前は、駅の開業年から推定した年です。

1930年ごろ13.9 km
1931年ごろ8.4 km
1934年ごろ10.3 km
1935年ごろ10.1 km
1937年ごろ7.3 km
1975年108.0 km

駅の一覧(36駅)

国土数値情報に記録された駅と、その供用開始年。1950年より前に廃止された駅は含みません。

駅開業その後
江津1930年2018年に西日本旅客鉄道へ
石見江津1930年1955年に西日本旅客鉄道へ
江津本町1958年2018年ごろ廃止
千金1958年2018年ごろ廃止
川平1930年2018年ごろ廃止
川戸1930年2018年ごろ廃止
田津1949年2018年ごろ廃止
石見川越1931年2018年ごろ廃止
鹿賀1949年2018年ごろ廃止
因原1934年2018年ごろ廃止
石見川本1934年2018年ごろ廃止
木路原1962年2018年ごろ廃止
竹1958年2018年ごろ廃止
乙原1935年2018年にラクテンチへ
石見簗瀬1935年2018年ごろ廃止
明塚1967年2018年ごろ廃止
粕淵1937年2018年ごろ廃止
浜原1937年2018年ごろ廃止
沢谷1975年2018年ごろ廃止
潮1975年2018年ごろ廃止
石見松原1975年2018年ごろ廃止
石見都賀1975年2018年ごろ廃止
宇都井1975年2018年ごろ廃止
口羽1963年2018年ごろ廃止
伊賀和志1975年2018年ごろ廃止
江平1963年2018年ごろ廃止
作木口1963年2018年ごろ廃止
香淀1963年2018年ごろ廃止
式敷1955年2018年ごろ廃止
所木1956年2018年ごろ廃止
信木1956年2018年ごろ廃止
船佐1955年2018年ごろ廃止
長谷1969年2018年に江ノ島電鉄へ
粟屋1955年2018年ごろ廃止
尾関山1955年2018年ごろ廃止
三次1955年2018年に西日本旅客鉄道へ

接続する路線

同じ名前の駅でつながっている国鉄・JR・第三セクターの路線(いまはない線も含む)。

知っておきたいこと

名前の由来

三江線の「三江」は、島根県の江津(ごうつ)の「江」と、広島県の三次(みよし)の「三」とを、あわせた名前である。「江津」と「三次」の頭の文字をとった命名だとされる。

輸送の量と全長

約108kmの距離は、廃止された路線の中では長いほうである。長い路線でありながら、列車の本数は少なかった。

線路の形と期間、駅の開業年は、国土数値情報「鉄道時系列データ」(国土交通省)を加工して作成しました。1950年より前に開業した区間の年は、駅の供用開始年から推定したもので、実際と前後することがあります。会社名・路線名の移り変わりと解説文は、このサイトでまとめたものです。
主な参考:国土交通省『国土数値情報 鉄道時系列データ』

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