国鉄・JR編について
1872年の新橋〜横浜の開業から現在まで、国の鉄道(官設鉄道・鉄道院・鉄道省・日本国有鉄道・JR)の在来線の路線網が、どのように伸び、どのように縮んできたかを年ごとにたどります。1906〜07年の私鉄の国有化で大きく広がった路線網は、1980年ごろに最大(地図データの線路の長さで約2万800km)となり、その後、特定地方交通線の廃止や、整備新幹線の開業にともなう並行在来線の第三セクター化で縮んでいきました。
地図の下の年表をドラッグするか、▶で再生すると、路線網が年ごとに動きます。線をクリックすると、その路線の経歴(長さの移り変わりと、その後どうなったか)が「路線カルテ」に出ます。地図右上の⇆で2つの年を左右に並べて見比べられ、ヘッダーの検索窓からは駅名・路線名・会社名で探して、その場所・その年へ移れます。
主な出来事
- 1872年10月14日 新橋〜横浜間が開業(日本初の鉄道)
明治5年9月12日(旧暦)。イギリスの技術と資金で、線路の幅は1,067mm(狭軌)が選ばれた。この日が「鉄道の日」(10月14日)になっている。仮開業は同じ年の6月(品川〜横浜)。 - 1874年5月11日 大阪〜神戸間が開業
- 1880年11月28日 北海道初の鉄道 手宮〜札幌(官営幌内鉄道)
アメリカの技術で造られた。機関車「義経」「弁慶」が走った。 - 1881年11月11日 日本鉄道会社の設立
華族の出資でつくられた日本初の私鉄。上野〜青森(今の東北本線)や高崎線・常磐線を造った。 - 1889年7月1日 東海道線(新橋〜神戸)全通
新橋〜神戸間を約20時間で結んだ。 - 1891年9月1日 日本鉄道 上野〜青森が全通
今の東北本線。 - 1892年6月21日 鉄道敷設法の公布
国が造るべき鉄道の路線を法律で定めた。 - 1901年5月27日 山陽鉄道 神戸〜馬関(下関)が全通
私鉄の山陽鉄道は、日本初の急行・寝台車・食堂車を走らせるなど、サービスで知られた。 - 1906年3月31日 鉄道国有法の公布
主な私鉄17社を国が買い取ることになった(1906〜1907年)。日本鉄道・山陽鉄道・九州鉄道・北海道炭礦鉄道・関西鉄道など。国の鉄道の長さは約2,400kmから約7,100kmへと3倍になった。 - 1908年12月5日 鉄道院の発足
国の鉄道を一つの役所(内閣直属)でまとめた。初代総裁は後藤新平。 - 1914年12月20日 東京駅の開業
辰野金吾の設計による赤レンガの駅舎。 - 1920年5月15日 鉄道省の発足
- 1925年11月1日 山手線の環状運転が始まる
神田〜上野間の開業で、山手線がつながって輪になった。 - 1930年10月1日 超特急「燕」
東京〜神戸を9時間で結んだ。 - 1934年12月1日 丹那トンネル開通
16年かけて掘った7,804mのトンネル。東海道線は御殿場回りから熱海回りに変わった(御殿場回りは御殿場線になった)。 - 1942年11月15日 関門トンネルの旅客営業開始
世界初の海底鉄道トンネル。本州と九州が線路でつながった(貨物は同年7月から)。 - 1949年6月1日 日本国有鉄道(国鉄)の発足
運輸省の鉄道部門を、独立採算の公共企業体に移した。同じ年、下山事件・三鷹事件・松川事件が起きた。 - 1954年9月26日 洞爺丸事故
台風で青函連絡船「洞爺丸」など5隻が沈み、1,430人が亡くなった。青函トンネルを造るきっかけになった。 - 1956年11月19日 東海道本線の全線電化
特急「つばめ」「はと」が東京〜大阪を7時間30分で結んだ。 - 1958年11月1日 ビジネス特急「こだま」(151系電車)
東京〜大阪を6時間50分で日帰りできるようにした電車特急。 - 1961年10月1日 「サンロクトオ」ダイヤ改正
全国に特急・急行網を広げた大改正。キハ80系による気動車特急が各地に登場した。 - 1962年5月3日 三河島事故
常磐線の三河島駅付近で列車が重なって衝突し、160人が亡くなった。ATS(自動列車停止装置)を全国に取り付けるきっかけになった。 - 1964年10月1日 東海道新幹線の開業
新幹線編を参照。 - 1968年10月1日 「ヨンサントオ」ダイヤ改正
在来線の最高速度を120km/hに上げ、特急を大幅に増やした。 - 1975年12月14日 国鉄最後の蒸気機関車の旅客列車
室蘭本線の室蘭〜岩見沢間で、C57 135が牽引した。翌1976年3月、貨物列車の蒸気機関車も終わった。 - 1980年12月27日 国鉄再建法の公布
利用の少ない路線を「特定地方交通線」に選び、バスや第三セクターに転換することになった。1983年の白糠線から1990年までに83線区・約3,160kmが対象になった。 - 1984年2月1日 貨物の「ヤード系輸送」の廃止
操車場で貨車をつなぎ替えて運ぶ方式をやめ、拠点間の直行輸送に切り替えた。 - 1987年4月1日 国鉄の分割・民営化
JR北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州の旅客6社と、JR貨物などが発足した。 - 1988年3月13日 青函トンネル開通・青函連絡船の終航
津軽海峡線が開業し、本州と北海道が線路でつながった。80年続いた青函連絡船は最後の航海を終えた。 - 1988年4月10日 瀬戸大橋線の開業
本州と四国が線路でつながり、宇高連絡船は前日に終わった。 - 2005年4月25日 JR福知山線脱線事故
尼崎市で快速電車がカーブで脱線してマンションに衝突し、乗客106人と運転士が亡くなった。 - 2011年3月11日 東日本大震災
津波で三陸沿岸の路線が大きな被害を受けた。気仙沼線・大船渡線の一部はBRT(バス高速輸送)で復旧し、山田線の一部は三陸鉄道に移された。常磐線は2020年に全線で運転を再開した。 - 2015年3月14日 上野東京ラインの開業
東北本線(宇都宮線)・高崎線・常磐線の列車が、東京駅を通って東海道線に直通するようになった。 - 2022年10月1日 只見線が全線で運転再開
2011年の新潟・福島豪雨から11年ぶり。会津川口〜只見間は福島県が施設を持つ上下分離方式になった。
消えた路線(長いもの)
- 1988年 土讃本線(四国旅客鉄道(旧国鉄)) 178.1km
- 1989年 天北線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 148.5km
- 1989年 名寄本線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 142.2km
- 1987年 羽幌線(日本国有鉄道) 140.4km
- 1995年 深名線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 121.4km
- 1989年 標津線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 116.6km
- 2021年 日高線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 111.6km
- 2018年 三江線(西日本旅客鉄道(旧国鉄)) 108.0km
- 1987年 大隅線(日本国有鉄道) 98.2km
- 2010年 東北線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) 96.0km
- 1987年 湧網線(日本国有鉄道) 89.8km
- 1971年 会津線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) 88.3km
- 1987年 広尾線(日本国有鉄道) 83.6km
- 1986年 胆振線(日本国有鉄道) 82.8km
- 1986年 富内線(日本国有鉄道) 82.3km
- 1987年 士幌線(日本国有鉄道) 78.1km
- 1962年 東北線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) 74.3km
- 1968年 室蘭線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 73.1km
- 1987年 宮之城線(日本国有鉄道) 66.1km
- 2024年 根室線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) 66.0km
第三セクターへ移った路線
- 1984年 久慈線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 三陸鉄道 25.9km
- 1984年 樽見線(東海旅客鉄道(旧国鉄)) → 樽見鉄道 23.7km
- 1984年 盛線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 三陸鉄道 21.4km
- 1984年 神岡線(日本国有鉄道) → 神岡鉄道 19.9km
- 1984年 宮古線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 三陸鉄道 12.8km
- 1985年 明知線(東海旅客鉄道(旧国鉄)) → 明知鉄道 25.1km
- 1985年 北条線(日本国有鉄道) → 北条鉄道 13.8km
- 1985年 三木線(日本国有鉄道) → 三木鉄道 6.6km
- 1986年 越美南線(東海旅客鉄道(旧国鉄)) → 長良川鉄道 71.9km
- 1986年 阿仁合線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 秋田内陸縦貫鉄道 46.0km
- 1986年 矢島線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 由利高原鉄道 23.0km
- 1986年 角館線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 秋田内陸縦貫鉄道 19.1km
- 1986年 高森線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 南阿蘇鉄道 17.8km
- 1986年 丸森線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 阿武隈急行 17.4km
- 1986年 甘木線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 甘木鉄道 13.7km
- 1987年 二俣線(東海旅客鉄道(旧国鉄)) → 天竜浜名湖鉄道 67.7km
- 1987年 会津線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 会津鉄道 57.1km
- 1987年 岩日線(西日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 錦川鉄道 32.6km
- 1987年 伊勢線(日本国有鉄道) → 伊勢鉄道 24.6km
- 1987年 若桜線(西日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 若桜鉄道 19.1km
- 1987年 信楽線(日本国有鉄道) → 信楽高原鐵道 14.7km
- 1988年 松浦線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 松浦鉄道 93.7km
- 1988年 能登線(日本国有鉄道) → のと鉄道 60.8km
- 1988年 中村線(四国旅客鉄道(旧国鉄)) → 土佐くろしお鉄道 43.0km
- 1988年 真岡線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 真岡鐵道 38.0km
- 1988年 長井線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 山形鉄道 30.5km
- 1988年 木原線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → いすみ鉄道 26.9km
- 1988年 岡多線(東海旅客鉄道(旧国鉄)) → 愛知環状鉄道 19.5km
- 1989年 池北線(北海道旅客鉄道(旧国鉄)) → 北海道ちほく高原鉄道 139.5km
- 1989年 高千穂線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 高千穂鉄道 50.0km
- 1989年 足尾線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → わたらせ渓谷鐵道 44.0km
- 1989年 田川線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 平成筑豊鉄道 26.2km
- 1989年 湯前線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → くま川鉄道 24.8km
- 1989年 伊田線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 平成筑豊鉄道 16.1km
- 1989年 糸田線(九州旅客鉄道(旧国鉄)) → 平成筑豊鉄道 6.9km
- 1990年 宮津線(西日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 北近畿タンゴ鉄道 83.6km
- 1991年 七尾線(西日本旅客鉄道(旧国鉄)) → のと鉄道 46.1km
- 1997年 信越線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → しなの鉄道 64.8km
- 2002年 東北線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → アイジーアールいわて銀河鉄道 110.6km
- 2002年 東北線(東日本旅客鉄道(旧国鉄)) → 青い森鉄道 36.9km
路線網と駅は、国土交通省「国土数値情報(鉄道時系列データ)」(1950年以降、年ごとの記録)を加工して作成しています。1950年より前の姿は、駅ごとの供用開始年から推定したもので、1950年より前に廃止された路線は含まれていません。廃止・会社の変化・改称は、翌年に同じ場所を通る記録があるかどうかで自動判定しています。