路線クロニクル日本の鉄道史 ─ 1路線の一生を再生する

路線クロニクル

高千穂鉄道 高千穂線1935年開業・2008年廃止

延岡〜高千穂 (廃止)

高千穂鉄道高千穂線は、宮崎県の延岡から神話の里・高千穂までを結んでいた約50kmの鉄道である。もとは国鉄の日ノ影線・高千穂線で、2008年に廃止された。

最も長かったころ
50 km(1972年)
駅の数
20駅
開業
1935年
廃止
2008年

この路線のなりたち

延岡から西へ、五ヶ瀬川ぞいに山あいを進む路線である。最初は日ノ影線という名前で、1935年から1939年にかけて、延岡から日ノ影までが開業した。国土数値情報の記録では、延岡、西延岡、行縢、日向岡元、曽木、日ノ影などの駅がこのころ開業している。

その先の高千穂まで延びたのは1972年である。このとき、日ノ影線は高千穂線と名前を変えた。熊本県の高森線とつなぐ計画があったとされるが、実現しなかった。

1987年にJR九州の路線となり、1989年に第三セクターの高千穂鉄道に引き継がれた。観光や通学に使われた。

路線の歩み

「▶ この章を見る」で、上のプレイヤーがその時代を再生します。

11935〜1939年

開業

1935年から1939年にかけて、日ノ影線の約38kmの線路が開業した。延岡・西延岡・行縢・日向岡元・曽木などの駅が、このころ開業している。

21949年

国鉄の路線に

1949年、国の鉄道は日本国有鉄道(国鉄)となり、この路線も国鉄の線になった。

31972年

延伸

1972年、約11kmの線路が開業した。影待・深角・天岩戸・高千穂の駅が、このころ開業している。

41972年

名前が変わる

1972年、日ノ影線は高千穂線と名前を変えた。

51987〜1989年

JRへ・第三セクターへ

1987年4月、国鉄の分割民営化で、この路線はJR九州の路線となった。1989年、JRの高千穂線は第三セクターの高千穂鉄道に引き継がれ、高千穂鉄道 高千穂線として再出発した。

62007年

一部の区間が廃止

2007年、約29kmの区間が廃止された。延岡・西延岡・行縢・細見・日向岡元などの駅もなくなった。

72008年

高千穂鉄道 高千穂線、廃止

2008年、残る約21kmが廃止され、高千穂鉄道 高千穂線は姿を消した。槇峰・日向八戸・吾味・影待・深角などの駅もなくなった。

8廃止のあと

廃線跡

線路の跡は、灰色の点線で描いている。駅の跡や鉄橋などが、いまも沿線に残っていることがある。

この路線の見どころ

高千穂橋梁

沿線には、鉄道橋として日本一の高さをもつとされる橋があった。谷を一気にわたる景色が知られた。

神話の里、高千穂

終点の高千穂は、天岩戸神社や高千穂峡など、神話にちなむ観光地がある。

五ヶ瀬川ぞいの景色

川ぞいにはトンネルと橋が多い。

廃止のあと

2005年の台風で高千穂鉄道は大きな被害を受け、線路や橋が壊れて長く不通となった。復旧には多くの費用がかかるため、2008年に廃止された。

その後、廃線を利用した観光の取り組みが一部で行われている。

区間の開業(年ごと)

地図データ上の線路の長さを、開業した年ごとに足したもの(公式の営業キロとは少し違います)。1950年より前は、駅の開業年から推定した年です。

1935年ごろ11.6 km
1936年ごろ5.6 km
1937年ごろ11.9 km
1939年ごろ8.6 km
1972年11.5 km

駅の一覧(20駅)

国土数値情報に記録された駅と、その供用開始年。1950年より前に廃止された駅は含みません。

駅開業その後
延岡1935年2007年に九州旅客鉄道へ
西延岡1935年2007年ごろ廃止
行縢1935年2007年ごろ廃止
細見1957年2007年ごろ廃止
日向岡元1935年2007年ごろ廃止
吐合1957年2007年ごろ廃止
曽木1936年2007年ごろ廃止
川水流1936年2007年ごろ廃止
上崎1957年2007年ごろ廃止
早日渡1937年2007年ごろ廃止
亀ヶ崎1957年2007年ごろ廃止
槇峰1937年2008年ごろ廃止
日向八戸1939年2008年ごろ廃止
吾味1957年2008年ごろ廃止
日ノ影1939年1995年ごろ廃止
日之影温泉1939年2008年ごろ廃止
影待1972年2008年ごろ廃止
深角1972年2008年ごろ廃止
天岩戸1972年2008年ごろ廃止
高千穂1972年2008年ごろ廃止

接続する路線

同じ名前の駅でつながっている国鉄・JR・第三セクターの路線(いまはない線も含む)。

知っておきたいこと

3つの名前

日ノ影線、高千穂線、高千穂鉄道高千穂線は、同じ線路の時代ごとの名前である。

線路の形と期間、駅の開業年は、国土数値情報「鉄道時系列データ」(国土交通省)を加工して作成しました。1950年より前に開業した区間の年は、駅の供用開始年から推定したもので、実際と前後することがあります。会社名・路線名の移り変わりと解説文は、このサイトでまとめたものです。
主な参考:国土交通省『国土数値情報 鉄道時系列データ』

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