路線クロニクル日本の鉄道史 ─ 1路線の一生を再生する

路線クロニクル

大社線1912年開業・1990年廃止

出雲今市〜荒茅 (廃止)

大社線は、島根県の出雲市から出雲大社の近くの大社までを結んでいた国鉄・JRの路線である。参拝客を運んだが、1990年に廃止された。神話の里へ向かう参拝客を運び、古い駅舎が今も残る路線であった。

最も長かったころ
8 km(1912年)
駅の数
5駅
開業
1912年
廃止
1990年

この路線のなりたち

大社線は、山陰本線の出雲市から、出雲大社のある大社までを結ぶ路線として、1912年に開業した。出雲大社は、縁結びの神様として古くから知られる神社で、多くの参拝者が訪れる。大社線は、そうした参拝客を鉄道で運ぶことを目的としていた。

終点の大社駅は、1924年に建てられた、神社を思わせる大きな木造の駅舎で知られた。大社の町には、参拝客を迎える門前町のにぎわいがあり、駅はその玄関口であった。

路線の歩み

「▶ この章を見る」で、上のプレイヤーがその時代を再生します。

11912年

開業

1912年、大社線の約8kmの線路が開業した。大社・出雲高松・出雲今市・出雲市の駅が、このころ開業している。

21949年

国鉄の路線に

1949年、国の鉄道は日本国有鉄道(国鉄)となり、この路線も国鉄の線になった。

31987年

JRへ

1987年4月、国鉄の分割民営化で、この路線はJR西日本の路線となった。

41990年

大社線、廃止

1990年、残る約4kmが廃止され、大社線は姿を消した。大社・荒茅・出雲高松・出雲市の駅もなくなった。

5廃止のあと

廃線跡

線路の跡は、灰色の点線で描いている。駅の跡や鉄橋などが、いまも沿線に残っていることがある。

この路線の見どころ

出雲大社への参拝

出雲大社は、旧暦の10月に全国の神様が集まるとされることでも知られる。こうした信仰のため、遠方からの参拝客も多かった。

旧大社駅舎

大社駅の駅舎は、廃止後も取り壊されず、旧大社駅舎として残されている。国の重要文化財にも指定されたとされる。

蒸気機関車の展示

旧大社駅の構内には、蒸気機関車が保存・展示されている。かつての鉄道の面影を伝える場所になっている。

廃止のあと

大社線は、自動車の普及などで鉄道の利用が減り、1990年に廃止された。JR西日本から見れば小さな支線であり、国鉄の改革の流れの中で整理されたといえる。

廃止後も旧大社駅舎は残され、出雲大社を訪れる人に、鉄道の歴史を伝える場所になっている。線路の跡の一部は、道や広場として使われているといわれる。

区間の開業(年ごと)

地図データ上の線路の長さを、開業した年ごとに足したもの(公式の営業キロとは少し違います)。1950年より前は、駅の開業年から推定した年です。

1912年ごろ7.6 km

駅の一覧(5駅)

国土数値情報に記録された駅と、その供用開始年。1950年より前に廃止された駅は含みません。

駅開業その後
出雲今市1912年1957年ごろ廃止
出雲市1912年1990年に西日本旅客鉄道へ
出雲高松1912年1990年ごろ廃止
大社1912年1990年ごろ廃止
荒茅1958年1990年ごろ廃止

接続する路線

同じ名前の駅でつながっている国鉄・JR・第三セクターの路線(いまはない線も含む)。

知っておきたいこと

荒茅の駅

荒茅駅は1958年ごろに設けられた小さな駅で、大社線の廃止のときに、ほかの駅とともになくなった。

線路の形と期間、駅の開業年は、国土数値情報「鉄道時系列データ」(国土交通省)を加工して作成しました。1950年より前に開業した区間の年は、駅の供用開始年から推定したもので、実際と前後することがあります。会社名・路線名の移り変わりと解説文は、このサイトでまとめたものです。
主な参考:国土交通省『国土数値情報 鉄道時系列データ』

国鉄・JR編の地図で見る