三井ホームと契約して最初に始まる打合せは、インテリアではなく間取りです。三井ホームの特徴の一つが、社内の一級建築士ではなく外部の設計士さんが間取りを担当してくれるところでした。契約前の打合せである程度理想を詰めていたつもりでしたが、契約後にはさらに本気度が増して、収納の量、動線、窓の記号の読み方まで、次々と細かい検討事項が出てきました。今回はその中でも一番印象に残っている「吹き抜けか納戸か」の決断を中心に、当時の打合せ記録を振り返ります。
外部設計士という三井ホームの仕組み
他のハウスメーカーを回った経験からすると、間取り設計を社内の建築士が担当するところがほとんどでした。三井ホームは違い、契約後は外部の設計士さんが担当してくれます。当時のブログにはその印象がこう書かれています。
「外部設計士さんは三井ホームと契約関係だと思うので、顧客から設計の評判が悪かったら切られることも考えられるから、社内の設計士さんよりは真剣さが違う気がします」 — 当時の建築ブログより(2013年4月)
実際、契約前に希望を伝えると、予想を上回る間取りを提案してもらえることが多く、こちらが「無理だろう」と半分諦めていた要望にも、次回打合せまでにきちんと形にして持ってきてくれました。素人の判断で「できる・できない」を決めつけず、思ったことは言い出し惜しみしないほうがいいと当時から実感していました。
専門用語が分かるようになってくる
打合せを重ねるうちに、図面上の専門用語が自然と分かるようになっていきました。すりガラスと透明ガラスの違い、可動窓と固定窓(FIX)の区別、窓のサイズを「1204(イチニーゼロヨン)」のように数字で言えるようになったのもこの頃です。三井ホームで建てた人は打合せの回数が多いので、こうした知識が自然と身につく人が多いのではないかと思います。
1階の細部チェックはキリがない
間取りは契約前段階ですでに何度も打合せをして、ほぼ理想のプランをもらっていたはずでした。それでも契約後に改めて図面を見返すと、変更したい場所が次から次に出てきました。収納があるかどうか、トイレの位置がリビングから見えるか見えないか、ドアを開けたときにスムーズに部屋へ入れるかどうか。数えきれないくらいの項目を、細かくチェックしていきました。設計士の先生はプロなので「これはどうしてこうなっているんだろう」と疑問に思っても、たいてい意図があってそうなっていることが多かったのですが、それでも人間なので稀に修正すべき点も見つかりました。気になったところは全部言ってしまおうというのが、当時の打合せで学んだ姿勢です。
収納か、吹き抜けか。悩みの分かれ道
三井ホームで建てた人はこうした細かい図面確認の打合せを人一倍こなす分、施主自身の知識も自然と増えていく印象がありました。窓の記号や壁の構造について、担当営業さんいわく「打合せが多いから詳しくなる人が多い」とのことでしたが、まさに自分たちもその一例だったと思います。契約後に配布される冊子には図面記号の見方も載っていて、これを読み返すだけでも打合せがぐっとスムーズになりました。
そうした細部の確認作業の中で、契約後の打合せで一番リアルな生活感を伴って浮かび上がってきたのが、収納の問題でした。我が家は全館空調を導入していたため、部屋同士を仕切る扉があまり必要なく、オープンな階段や吹き抜けを作っても快適な空間になる、という利点がありました。友人の家では「吹き抜けを作るとエアコンの効きが悪くなる」という理由で断念したという話も聞いていましたが、全館空調ならその心配は少なく、モデルハウスでよく見る吹き抜けを自分の家にも取り入れることにしました。
ところが打合せを進める中で、設計士の先生から「吹き抜けの部分をやめれば2階に立派な納戸ができますよ」という提案がありました。贅沢を取るか、生活の実用性を取るか。どちらも間違った選択ではないだけに、悩みは深まりました。
「両方欲しい」を先生に持ち帰ってもらう
結局、「収納も欲しいけれど吹き抜けも残したい」というわがままを設計士さんに持ち帰ってもらうことにしました。正直、どちらかを諦めるしかないだろうと思っていたのですが、次の打合せで提示された間取りは予想を超えるものでした。
「全体でゆとりのある空間を組み換えて贅肉を削ぎ落とすような感じで無駄を省き、開いたスペースを収納にして頂きました。」 — 当時の建築ブログより(2013年5月)
吹き抜けはそのまま残し、収納も増やす。素人目には両立が難しく見えた要望を、プロの視点で無駄を削ぎ落としながら形にしてもらえたときは、本当に感動しました。言ってみるものだと強く実感した打合せです。
12年住んで感じる、吹き抜けと収納のバランス
実際に12年間暮らしてみて、吹き抜けを残した判断に大きな後悔はありません。全館空調のおかげで冷暖房効率が大きく損なわれることもなく、リビングの開放感は今でも家の一番の魅力だと感じています。一方、収納については「あのとき先生が提案してくれた分」で足りている時期もあれば、子供の成長とともに荷物が増えてやはり収納は多いに越したことはないと感じる時期もありました。一般的に吹き抜けと収納は「見栄えを取るか実用性を取るか」のトレードオフとして語られがちですが、我が家の場合は設計士さんの工夫のおかげで、両方をそれなりのバランスで手に入れられたのだと思います。もし今同じ選択を迫られても、同じように「両方欲しい」とわがままを言うと思います。