三井ホーム12年目住んでみて、施主が語る家づくり

【12年検証】完璧な間取りの賞味期限と、
終わらない「庭の芝生」との闘い

2019年頃 原稿 2026年5月 大幅更新 間取り・設備・生活

12年前、図面を睨みながら1センチ単位の収納幅にこだわり、理想の設備を詰め込んだ我が家。あの日、私たちは間違いなく「最高に使いやすい家」を作ったはずでした。

しかし、家は「建てた時が完成」ではありません。12年の歳月は、住環境と私たちの体力を容赦なく変化させました。

庭に芝生を植えてから5年頑張れば雑草が無くなるからと言われて5年過ぎましたが雑草が後を絶ちません……毎年雑草を手で抜いたり芝刈りで刈り取ったりしてましたが、今年はなんだか疲れたので手を出しました。芝生には極力影響を与えない除草剤(MCPP液剤)を、噴霧器で均等に撒いていきます。まだ寒い時期なので効果が出るまで若干時間がかかるらしいので、様子見をしたいです。 — 当時の建築ブログより(2019年3月)

1. 12年間の生活を救った「神設備」たち

第1位:タッチレス水栓(キッチン)

12年前は「贅沢品」でしたが、今やインフラです。ハンバーグを捏ねた手でも水が出せる。揚げ物をした後の油まみれの手でも水栓を触らずに洗える。12年毎日何十回と使っても故障ゼロ。

最も投資対効果が高かった設備を一つだけ選べと言われたら、迷わずタッチレス水栓です。新築時にケチって普通の水栓にしている方、今からでも遅くありません。

第2位:川口技研のホスクリーン(室内干し)

全館空調「スマートブリーズ」とのコンボが凶悪なまでに優秀です。脱衣所や空き部屋の天井に仕込んだホスクリーンのおかげで、「外に洗濯物を干す」という家事自体が我が家から消滅しました。

花粉の季節も、梅雨の時期も、共働きで帰りが遅い日も——洗濯物の心配がゼロです。これも新築時に標準追加しておいて大正解でした。

天井に取り付けたホスクリーン(室内物干し器具)
脱衣所の天井に設置したホスクリーン。新築時に追加してよかった設備の代表格。

第3位:食洗機(ビルトイン)

「本当に食洗機って必要?」と迷っている方がいたら、即答します。絶対に必要です。12年間で節約できた手洗いの時間と水道代を計算すると、設置費用の何倍もの価値があると確信しています。

設備12年後の評価特記事項
タッチレス水栓✅ 最高傑作12年間故障ゼロ
ホスクリーン(室内干し)✅ 外干し消滅全館空調との組み合わせが最強
食洗機(ビルトイン)✅ 必須節約できた時間は計り知れない
芝生の庭❌ 大失敗タイルデッキか人工芝にすべきだった
竣工直後のクローゼット内部
引き渡し直後に撮影したクローゼット。収納の数は「多くて困ったことがない」というのが12年間の実感。

2. 憧れの「芝生の庭」のリアルと挫折

新築時、誰もが夢見る「青々とした芝生のお庭」。我が家も御多分に洩れず芝生を敷きました。「5年もすれば根が張って雑草が生えなくなる」という言葉を信じて。

しかし、現実は甘くありませんでした。夏になるたびに無限に生えてくる雑草。週末のたびに汗だくになりながら手で抜き、芝刈り機を走らせる日々。そして築5年を迎えた年、ついに私の心が折れました。「MCPP(芝生用除草剤)」という選択的除草剤に手を出したのです。

⚠️ 芝生を選ぶ前に知っておくこと:芝生は「ペット」と同じです。毎週手入れをする覚悟と愛情がない限り、手を出してはいけません。12年経った今、もし過去に戻れるなら迷わず「タイルデッキ」か「質の高い人工芝」に変更します。外構の美しさは、無理のないメンテナンスの上に成り立ちます。
子供のおもちゃの腕時計
子供部屋に転がっていたおもちゃ。成長のたびに部屋の使い方も変わっていった。

3. 間取りの答え合わせ:子供の成長と「壁の問題」

間取りにおける唯一の後悔は、「子供部屋」の作り方です。
当時は「将来壁を作って2部屋に分けられるように」と、広めの1部屋にドアを2つつけるプランにしました。

しかし12年後、いざ子供が大きくなって壁を作ろうとすると、「業者を呼んで大工工事をするのが果てしなく面倒」なのです。結局、大きな本棚などの家具で仕切るという中途半端な形になってしまいました。
これから建てるなら、最初から壁で仕切った小さな個室を2つ作っておくことを強くお勧めします。

4. 12年後も「この設計で良かった」と思う点

後悔ばかり書くと公平ではないので、12年経っても「これは正解だった」と感じている設計上の判断もお伝えします。

ウォークインクローゼットのハンガーパイプ
建築時に撮影したウォークインクローゼットのハンガーパイプ。「収納は多すぎて困ったことがない」が12年間の実感。

5. 12年目の最終結論

家づくりは、未来の自分たちへのギフトです。

「芝生の手入れができるか?」「将来本当に壁の工事を手配するマメさがあるか?」——展示場の夢から少しだけ目を覚まし、自分たちの「ズボラさ」を素直に認めること。それが、12年後も快適に笑って暮らせる、本当の「理想の家づくり」の秘訣です。

子供部屋を「将来2分割できる設計」にすること自体は悪くありませんが、実際に工事をする段階のハードルの高さは事前に想定しておくべきでした。タッチレス水栓は12年間で一度も故障していませんが、「センサーに反応しにくい」などの調整が年に数回必要になることはあります。庭の外構については、メンテナンスの手間を最小化するなら「コンクリート打ちっ放し」か「天然石・タイルデッキ」が最もラクで、見た目も重視したいなら「高品質な人工芝」が今の技術では十分きれいに仕上がります。迷ったら天然芝以外を選ぶ、というのが12年間格闘した末の結論です。