注文住宅を建てる際、誰もが直面する最大の壁。それが「ハウスメーカー選び」と「予算」です。
12年前、私は大手ハウスメーカー数社を巡り、三井ホームのフレンチモダンな看板商品「chouchou(シュシュ)」に一目惚れしました。しかし、自由設計で出された最初の見積もりは、私たちの予算をはるかにオーバーしていました。
当時ブログにも書いていましたが、三井ホームで最初に驚いたのは「シュシュ」や「ハクア」「グラセナ」「オークリー」といった名前が、実は独立したプラン商品ではなく「コンセプト」だったという点です。三井ホームの商品体系は大きく分けると自由設計と、企画商品であるバーリオの2つ。外観を9パターン、間取りを120パターンから選び、そこから玄関の位置と階段の位置、外壁ライン以外は結構自由に変更できるのがバーリオでした。「シュシュ風」というのは、この2つのどちらでも、外観をそのコンセプトに寄せていくアレンジのことだったのです。
1. 営業担当の一言「シュシュ風にすることもできますよ」
他社で妥協しようとしていた私たちを引き留めたのは、三井ホームの担当営業マンでした。彼が提案してきたのが、間取りが規格化されたバーリオをベースにするという方法でした。当時聞いた話では、三井ホームの社員のほとんどがバーリオで建てているとのことで、「間取りさえ気に入れば安いんだろうな」と素直に思えたのを覚えています。
自由設計(フルオーダー)から規格商品に落とすことで、坪単価そのものが下がり、設計費用の分だけベースコストを削減できます。そして、浮いた予算を「家の顔」となる部分に投じるというのが、私たちの戦術でした。
あらかじめ用意された間取りプランの中から選ぶ「セミオーダー型」の商品です。間取りの自由度は下がりますが、三井ホームの構造性能(プレミアム・モノコック構法)や全館空調は同様に採用でき、外装・内装のカスタマイズも一定の範囲で可能です。フルオーダーより数百万円程度安くなることが多いです。当時の担当者いわく「バーリオだからと安い部材を使うことはない」とのことで、屋根断熱のDSパネルも全館空調も断熱材(ロックウール)も、自由設計と同じ標準仕様が使われていました。違いがあったのは1階の天井高で、自由設計の標準260cmに対しバーリオは240cm(オプションで260cmへ変更可)だった点くらいです。
2. 実践した「シュシュ化」のための課金ポイント
規格商品特有の「建売っぽさ」を消すために、私たちが当時こだわってオプション課金(グレードアップ)したのが以下の3点です。
| 課金したポイント | 効果 | 12年後の評価 |
|---|---|---|
| 外壁(SBフィニッシュ)+アイアン飾り | 一気に洋館の雰囲気に | ✅ 大正解。12年経っても美しい |
| 窓枠モールディング(ケーシング) | シュシュらしさが出る | ✅ 少額で最大のシュシュ感 |
| ICによる内装コーディネート | 全体の世界観が統一される | ✅ プロの眼は信頼できる |
| タッチレス水栓(キッチン) | 毎日の使いやすさが激変 | ✅ 12年故障なし・最高の投資 |
| ホスクリーン(室内干し) | 洗濯の外干しが消滅 | ✅ 全館空調との組み合わせが最強 |
3. 逆に「削った」こと
限られた予算でこだわりポイントに集中投資するために、「削る」判断も同様に重要でした。
- 床材:標準グレードを採用(後からラグで雰囲気は変えられると判断)
- 照明器具:標準品を採用(後からLED交換で十分と判断)
- 浴室サイズ:標準を維持(広さより断熱性能が大切と判断)
- 外構(庭):芝生にしたが、これは後悔した(詳細は別記事)
4. 12年住んでわかった「規格商品」の隠れたメリット
当時は「間取りを自由にいじれない」ことに少し心残りがありましたが、12年住んでみてその考えは180度変わりました。
素人の私たちが「ここを広くしたい」とこねくり回した間取りより、120パターンという蓄積の中からプロが導き出した規格プランの方が、実は動線の完成度が高かったのではないか——12年経った今、そう感じることが増えました。子供が成長し、ライフスタイルが変わっても「使いにくい」と感じる場所がないのです。洗面所からキッチンへの回遊動線など、プロの最適解が最初からパッケージ化されていた恩恵を、今になって痛感しています。
5. 2026年、これから三井ホームで建てる皆さんへ
現在、建築資材の高騰により、注文住宅の価格は12年前とは比較にならないほど上がっています。憧れの「シュシュ」をフルオーダーで建てるのは、多くの方にとってかなりの勇気がいるでしょう。
だからこそ、今の時代の「三井ホームSELECT(旧バーリオ)」を賢く利用してください。構造と性能(全館空調など)は三井ホームの最高品質のまま、浮いた予算をインテリアや外観のディテールに投資する。この12年前の私の戦い方は、物価高の今こそ最も効果的な家づくりの方法だと確信しています。