三井ホーム12年目住んでみて、施主が語る家づくり

【12年収支を全公開】太陽光発電は本当に元が取れる?
「売電単価42円」の熱狂と、卒FIT後の現実

2014年頃 原稿 2026年6月 大幅更新 太陽光発電・設備・費用
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2014年に三井ホームで太陽光発電システムとエコキュートを導入。FIT買取期間10年間の売電収入で初期費用を回収し、2024年以降の「卒FIT」後は自家消費戦略に転換。電気代高騰の波と戦いながらも太陽光の恩恵を受け続けている施主の12年間の記録。

家づくりの予算配分で、誰もが一度は悩むのが「太陽光発電」と「エコキュート」の導入です。
「初期費用が数百万円もかかるのに、本当に元は取れるの?」という疑問に対し、12年前の私は「絶対に載せるべき!」と鼻息を荒くしていました。

「久々にWEBモニタリングをしました。(中略)冬は発電が少なく春・夏・秋が稼ぎとき!ってぐらいでしょうか。屋根に搭載するキロワット数によって変わるので一概に言えませんが、南向きの屋根に4キロワット載せたらこんなもんだと思ってもらえれば。(中略)42円買取単価だったので売れば売るほど儲かる仕組みでしたが、現状はどうなんでしょうね・・・?」 — 当時の建築ブログより(2016年11月)
📋 この記事でわかること
  • 売電単価42円時代の太陽光システムの収支実態
  • 9年目で初期費用を完全回収できた理由
  • 卒FIT後に売電単価が「42円→約7〜9円」に暴落した衝撃
  • エコキュートの常識が「夜間沸き上げ→昼間沸き上げ」に180度逆転した話
  • 2026年現在、今から建てる人に太陽光は必要か?
屋根に設置された太陽光発電パネル
竣工直後に撮影した屋根の太陽光パネル。南向きの屋根に約4kW分を搭載した。

1. 売電単価「42円」時代の錬金術

12年前、我が家が太陽光を導入した時期は、国が定めたFIT(固定価格買取制度)の売電単価が「1kWhあたり42円」というボーナスタイムでした。

我が家は全館空調(スマートブリーズ)を「低圧電力」という安い単価で契約し、屋根で発電した高い電気は「従量電灯」側で全量売るという、当時の王道とも言える運用を駆使していました。
結果として、毎月1万円〜2万円の「売電収入」が口座に振り込まれ、約9年目で太陽光パネルの設置費用(初期費用)を完全に回収することに成功しました。

FIT期間中の収支イメージ内容
売電単価42円/kWh(固定10年間)
月間売電収入(目安)1〜2万円(季節・天候により変動)
初期費用回収時期約9年目(我が家の場合)
FIT終了後の売電単価約7〜9円/kWh(電力会社により異なる)
太陽光発電の月次収支データ画面
モニタリングサイトで確認できる月次の発電・消費・売電データ。

2. 10年目に届いた「卒FIT」の絶望通知

しかし、幸せな時間は永遠には続きません。10年が経過したある日、電力会社からハガキが届きました。

FIT期間が終了(通称:卒FIT)し、翌月からの買取単価が「42円 → 約7〜9円」へと、一気に5分の1以下に暴落したのです。モニターを見てニヤニヤする日々は終わり、電気は「売って稼ぐもの」ではなくなりました。

⚠️ 卒FITを迎えた後の選択肢:①そのまま低単価で売電を続ける ②蓄電池を導入して自家消費を増やす ③エコキュートなどの設備で昼間に積極消費する——我が家は③を選択し、エコキュートの沸き上げ時間を「夜間→昼間」に変更しました。

2.5 実際に「パワコン」が壊れた話

導入から4年ほど経った頃、発電量モニターの数字がおかしいことに気づきました。パワーコンディショナー(パワコン、太陽光の直流電気を家庭で使える交流に変換する装置)の出力が徐々に下がり、最終的には動作不良に近い状態になっていたのです。業者に確認してもらったところ、修理部品がすでに無く「新品に交換しましょう」という話になりました。

パワコンの交換費用は一般的に15万〜30万円ほどかかるそうですが、我が家は導入時に加入していた15年保証の対象だったため、費用は一切かからず新品に交換してもらえました。ただし故障から交換完了までの約1ヶ月間は発電量が極端に落ち込み、その間の売電収入はほぼゼロに近い状態でした。パネル自体は壊れていなくても、パワコンという「心臓部」が壊れれば発電システム全体が止まってしまうという、当時は想定していなかったリスクを実体験することになりました。

💡 パワコン保証は必ず確認を
太陽光システムを検討する際は、パネル本体の保証だけでなく、パワコンの保証年数・保証範囲も必ず確認してください。パワコンの寿命は一般的に10〜15年とされており、FIT期間(10年)とほぼ同じタイミングで交換時期を迎える家庭も多いはずです。

3. 12年で逆転した「エコキュート」の常識

売電単価が暴落した一方で、2026年現在の私たちを苦しめているのが「買電(電気代)の異常な高騰」です。ここで、「エコキュートの使い方の常識」が完全に180度逆転しました。

時代最適なエコキュートの使い方理由
FIT期間中(〜2023年頃)深夜(安い時間帯)に沸き上げ深夜電力が安く、昼間の太陽光は高く売れるから
卒FIT後(現在)昼間(発電時間帯)に沸き上げ太陽光の電気を売っても安いので、自分で使った方が得

我が家も卒FITのタイミングで、エコキュートの沸き上げ時間を「昼間」に設定変更しました。安い単価で電気を投げ売りするのをやめ、高い電気を買わずにお湯を作る「防衛戦」に切り替えたのです。

太陽光発電量の日別グラフ
2017年8月の日別発電量グラフ。天候による発電量の変動が一目でわかる。

4. 12年間の太陽光発電 総収支まとめ

項目金額
初期設置費用(パネル+エコキュート)(設置当時の費用:概算数百万円台)
FIT期間10年の売電総収入(目安)約120〜240万円(月1〜2万円×120ヶ月)
初期費用の回収完了約9年目に達成
10〜12年目(卒FIT後)の売電収入大幅減少(月数千円レベルに)
12年間の総合評価初期費用を回収した上に余剰分がプラス

5. 結論:今から建てる人は太陽光を載せるべきか?

「売電で儲からないなら、もう太陽光を載せる意味はないのでは?」
もしそう思っているなら、考えを改めてください。

今の時代、太陽光パネルは投資ではなく「狂ったように高騰する電気代から、家族の家計を守るための最強の防具」です。特に三井ホームのような全館空調の家では、日中の空調電力を太陽光でカバーできる恩恵は計り知れません。

12年前、お金目当てでパネルを載せた私ですが、結果的にそのパネルが今の生活を助けてくれています。迷っているなら、蓄電池やV2Hの導入も視野に入れつつ、パネルは載せられるだけ載せることを強くおすすめします。

よくある質問

三井ホームに太陽光を後付けすることはできる?
可能ですが、新築時に設置するより割高になりやすいです。屋根の形状・向き・面積によって搭載可能なパネル枚数が決まるため、新築計画段階から太陽光を前提とした屋根設計にしておくことを強くおすすめします。後付けの場合は複数の業者から相見積もりを取り、施工実績と保証内容を十分に確認してください。
卒FIT後は蓄電池を導入すべき?費用は?
電気代高騰が続く現在、蓄電池の導入は費用対効果が高まっています。一般的な家庭用蓄電池の導入費用は80〜200万円程度(容量・メーカーによる)で、電気代の節約効果で10〜15年程度での回収が目安とされています。我が家は現時点では蓄電池未導入ですが、エコキュートの昼間シフトで自家消費を最大化することで電気代の増加を抑えています。
太陽光のパワコン(パワーコンディショナー)の寿命は?
パワコンの一般的な寿命は10〜15年とされています。我が家は12年目現在まだ稼働中ですが、発電量が急に低下した場合はパワコン故障の可能性が高く、早めに点検・交換を検討する必要があります。交換費用の目安は15〜30万円程度(工事費込み)です。卒FITのタイミングで蓄電池への切り替えを検討される方は、パワコンの交換費用も含めて試算することをお勧めします。
エコキュートの電気代を節約するコツは?
太陽光発電がある場合は「昼間沸き上げ」への切り替えが最大のコツです。太陽光がない場合は、電力会社の「夜間電力割引プラン」に加入した上での深夜沸き上げが依然として有効です。また、「お湯の使い過ぎを防ぐ(沸き上げ量の最適化)」と「タンクの断熱保温」も節約に効きます。エコキュートのリモコンで「沸き上げ時間の設定」と「設定量の調整」を定期的に見直すことをおすすめします。