三井ホーム12年目住んでみて、施主が語る家づくり

震度5強を経験して分かった
耐震性能のリアル

2021年頃 記録 2026年7月 大幅更新 季節・防災

以前の記事で、我が家が震度5強の揺れを経験しても壁紙(クロス)が一切割れなかったことをお伝えしました。ただ、あの記事では構造の話に重点を置いていたため、「実際に家の中で何が起きたのか」という生活者目線の詳細までは書ききれていませんでした。

今回はその夜のことを、当時のメモを引っ張り出しながら、できるだけ正直に振り返ります。良い結果だけを強調するのではなく、我が家の防災対策の甘さも含めて記録しておきます。

震度5強、その夜に起きたこと

揺れが来たのは夜、家族3人がリビングにいる時間帯でした。最初の数秒は「またか」という程度の弱い揺れでしたが、そこから急激に揺れ幅が大きくなり、立っていられないほどではないものの、明らかに「これは大きい」と体で分かるレベルに達しました。

体感として印象に残っているのは、横揺れよりも突き上げるような縦の揺れが強く感じられたことと、揺れの継続時間が体感で実際より長く感じたことです。全館空調のダクト音がある家なので、普段は静かな家の中に、地鳴りのような低い音が響いていたのを覚えています。子供を咄嗟に抱きかかえ、揺れが収まるまで動けなかったこと、食器棚の扉がガタガタ鳴っていたのに中の食器が飛び出すことはなかったこと、そして家自体が軋む音は一切しなかったことが、逆に不気味に感じられたのを覚えています。

家具の転倒はあったのか

結論から言うと、大型家具の転倒はゼロでした。ただしこれは「家が強かったから」だけではなく、当時すでに背の高い本棚と食器棚に突っ張り棒式の転倒防止器具を設置していたことが大きいと思います。一方で、対策をしていなかったリビングの飾り棚では、置いてあった写真立てと小さな置物が数点落下し、ガラスの写真立てが一つ割れました。

この経験から痛感したのは、「家の構造が強い=家具も無事」ではないということです。躯体が揺れを吸収してくれても、家具単体は室内で暴れます。固定していない家具・置物は、震度5強程度でも普通に落ちたり倒れたりするというのが実感でした。

💡 プレミアム・モノコック構法の実大実験データ
別記事でも触れましたが、三井ホームのプレミアム・モノコック構法は、壁・床・屋根が一体となって荷重を受け止める「面」の構造です。実大実験では、震度7クラスの揺れを想定した加振を60回繰り返しても倒壊しないというデータが示されています。今回我が家が経験したのは震度5強でしたが、この実験データを知っていたからこそ、揺れの最中も「家自体が倒れる」という恐怖は感じずに済みました。実際に建物が軋む音がしなかったことも、体感としてこのデータと矛盾しない結果だったと感じています。

地震後、家族で見直した避難経路

揺れが収まった直後、恥ずかしながら我が家の避難経路の確認はかなり曖昧でした。玄関までの動線に子供の三輪車が置いてあったり、非常持ち出し袋の場所を夫婦で正確に共有できていなかったりと、反省点が多く見つかりました。

特に3階建てということもあり、揺れの最中に無理に移動するのは危険と判断し、揺れが収まるまではリビングでその場に留まりました。結果的にはこれが正解だったと思いますが、事前に「揺れの最中はどこにいるべきか」を家族で話し合っていなかったため、その場の判断に頼らざるを得なかったのは反省点です。

この地震をきっかけに変えたこと

地震の翌日から、以下の見直しを行いました。玄関までの動線に物を置かない運用に変更、非常持ち出し袋を玄関収納の決まった位置に固定、家族で「揺れを感じたらまずどこに集まるか」を再確認、そして飾り棚や本棚の残りの家具にも転倒防止対策を追加しました。特に地震後に慌てて買い足したのが、家具と壁を固定するL字金具と、食器棚の扉に取り付ける耐震ラッチです。

断熱材ロックウールの施工写真
建築時に撮影した断熱材(ロックウール)施工の様子。壁の中にはこうした素材が詰まっている。

地震後の点検で確認したこと

揺れが収まってから数日かけて、自分たちの目でできる範囲のチェックと、念のための業者点検を行いました。基礎の配筋工事から丁寧に見てきた家なので、目に見えない部分がどうなっているかは正直不安もありましたが、結果は以下の通りでした。

チェック箇所点検方法結果
クロス(壁紙)の状態全室目視ひび・浮きなし
建具(ドア・引き戸)の建付け開閉確認歪み・引っかかりなし
外壁のひび割れ外周目視ひびなし(SBフィニッシュに変化なし)
給排水管の様子通水確認・水漏れ確認異常なし
基礎まわり目視・業者点検ひび割れ・沈下なし
家族の地震対策家具固定・避難経路の見直し要改善→地震後に対策済み
基礎配筋工事の様子
建築中に撮影した基礎配筋工事の写真。地震後、この基礎部分も業者に点検してもらった。

構造・仕上げに関しては、正直なところ「何も起きていない」というのが結果でした。ただし家具や生活用品のレベルでは、明らかに揺れの爪痕が残りました。この温度差こそが、今回一番伝えたかったことです。家の構造がどれだけ優秀でも、室内の対策を怠れば「揺れの被害」自体はゼロにならないという当たり前の事実を、身をもって学びました。

📋 震度5強を経験して分かったこと(まとめ)
  • 構造由来のダメージ(クロス割れ・建具の歪み・外壁のひび)はゼロだった
  • 固定していない家具・置物は普通に転倒・落下した
  • 揺れの最中は無理に移動せず、その場に留まる判断が結果的に正しかった
  • 避難経路・非常持ち出し袋の場所は、事前の家族間共有が不十分だった
  • 実大実験データ(震度7を60回想定)を知っていたことが、揺れの最中の安心感につながった

耐震性能が高い家でも家具の転倒対策は別問題として必要だというのが、今回の実感です。突っ張り棒や耐震ラッチなどの対策は、構造の強さに関係なく必須だと痛感しました。また、地震のあと素人でも確認できる箇所として、クロスのひび・浮き、建具(ドア・引き戸)の開閉のスムーズさ、外壁の見える範囲のひび割れ、水回りの水漏れの有無などがあります。我が家もまずこれらを自分たちでチェックし、その上で基礎まわりなど専門的な判断が必要な箇所は業者に点検を依頼しました。少しでも異常を感じたら、自己判断せず専門業者に相談することをおすすめします。

屋根裏のDSパネルを内側から見た様子
建築中に撮影した屋根断熱のDSパネル。壁・床・屋根が一体になった構造の一部を成す。
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この記事を書いた人

2014年に三井ホームで建築した家で、夫婦+子供1人の3人暮らし12年目。「壊れなかった」で終わらせず、揺れの最中に実際どう動いたか、何を見直したかまで書き残すようにしています。