Excelで「他のユーザーが ‘ファイル名.xlsx’ を使用中です。後でもう一度試してください。」が出て開けない/保存できない時の原因と対処法

IT技術情報

Excelファイルを開こうとしたとき、突然こんなエラーメッセージが表示されたことはありませんか?

他のユーザーが「〇〇.xlsx」を使用中です。
後でもう一度試してください。

「誰も開いていないはずなのに…」「閉じたのにずっとロックが解除されない」など、実務現場でよく発生するトラブルです。
本記事では、このエラーメッセージが出る原因と解決方法を、企業の共有フォルダやクラウド環境でも使える実践的手順として解説します。


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1. エラーメッセージが出る状況と原因の概要

このメッセージは、Excelがファイルを「誰かが使用中=排他ロック中」と判断したときに表示されます。
実際には誰も開いていなくても、以下のような要因で「使用中」と誤認されるケースが多くあります。

  • 共有フォルダ上でファイルが異常終了した
  • Excelの一時ファイル(~$で始まる隠しファイル)が残っている
  • ネットワークやNAS上のアクセス権やキャッシュ競合
  • Excelプロセスが終了していない(バックグラウンドで残っている)
  • OneDriveやSharePointなどのクラウド同期タイミングのズレ

2. まず最初に確認すべき3つの基本チェック

① 他のユーザーが本当に開いていないか

実際に同じフォルダを共有しているユーザーに確認してみましょう。
もし誰かが開いている場合は、そのユーザーが「閉じて保存」するまで待ちます。

② ファイル/フォルダの権限を確認

ネットワークドライブやNASの場合、「読み取り専用」設定や「上書き禁止」設定が影響していることがあります。
IT管理者であれば、プロパティ → セキュリティ → アクセス許可 で該当ユーザーの書き込み権限を確認します。

③ ネットワーク/同期状態を確認

Wi-FiやVPN越しの環境では、セッション切断でExcelがファイルを開きっぱなしに見せることがあります。
OneDriveやSharePoint利用時は、一時的に同期を一時停止して試してみましょう。


3. ケース別の原因と解決方法

原因①:~$で始まる一時ファイル(隠しファイル)が残っている

Excelはファイルを開いた瞬間に「~$ファイル(例:~$見積書.xlsx)」を作成します。
正常終了すれば自動削除されますが、異常終了すると残ったままになり、次に開いた人が“使用中”扱いになります。

解決法:

  1. エクスプローラーで「隠しファイルを表示」にチェックを入れる。
  2. 問題のフォルダ内に「~$ファイル」がある場合は削除する。
  3. 再度Excelを起動し直して開けるか確認。

原因②:Excelプロセスがバックグラウンドで残っている

Excelを閉じたつもりでも、内部プロセス(EXCEL.EXE)が動いているとファイルがロックされたままになります。

解決法:

  1. Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開く。
  2. 「詳細」タブから EXCEL.EXE を選び、「タスクの終了」。
  3. 再度Excelを起動して開けるか確認。

原因③:ネットワーク/NASキャッシュの競合

共有ドライブ上のファイルを複数人が開閉していると、Windowsキャッシュのタイムラグで「使用中」と誤認される場合があります。

解決法:

  • ファイルを一度ローカル(デスクトップなど)にコピーして開く。
  • サーバー再起動やネットワーク再接続を行う。
  • IT部門で SMB キャッシュ設定を確認(特に古いNAS環境)。

原因④:クラウド同期(OneDrive/SharePoint)タイミングのズレ

クラウドに保存されたExcelを複数ユーザーが開くと、同期タイミングのズレで「使用中」扱いになることがあります。

解決法:

  • 同期を一時停止してから再度開く。
  • 「コピーを保存」して編集する。
  • 可能なら「Excel Online」で同時編集を利用する。

原因⑤:ファイル破損によるロック

まれに、ファイル自体が壊れておりロックが解除できないケースもあります。

解決法:

  • 新しいExcelファイルを作成。
  • 旧ファイルを開かずに、データ → 外部データの取り込み で内容を読み込む。
  • 内容をコピーして保存。

4. 応急処置として試せる手順まとめ

  • 別名で保存してみる(例:「〇〇_再保存.xlsx」)。
  • ファイルをローカルにコピーしてから開く。
  • 再起動後に開き直す。
  • ネットワークが安定しない場合は、VPN切断後に試す。

5. 再発防止と運用改善のポイント

共有フォルダ運用時のルールを明確に

  • ファイル命名規則を統一し、同名ファイルを乱立させない。
  • 同時編集が頻発するファイルはExcel OnlineやGoogleスプレッドシートに移行する。
  • 定期的に不要な一時ファイルやバックアップを削除する。

OneDrive/SharePoint運用の場合

  • 「自動保存」がONのまま複数人編集すると競合を起こす。
  • 重要ファイルはバージョン履歴を利用して誤上書きを防ぐ。

6. まとめ

Excelで「他のユーザーが使用中です」と表示された場合、実際に誰かが使っているとは限りません。
ほとんどの場合、残存する一時ファイル・プロセス・ネットワーク遅延などの技術的要因です。

まずは以下の3ステップを順に確認しましょう:

  1. 隠しファイル「~$」の削除
  2. Excelプロセスの終了
  3. ローカルコピーでの再確認

それでも解消しない場合は、サーバー管理者や情シスに依頼し、ファイル共有方式そのものを見直すことをおすすめします。


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