三井ホーム12年目住んでみて、施主が語る家づくり

三井ホームと他社を比較した記録。規格住宅 vs 自由設計の12年後

2013年頃 記録 2026年7月 大幅更新 ハウスメーカー選び
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この記事を書いた人

三井ホームの半注文住宅「バーリオ」で2013年に契約し、2014年に引き渡しを受けた施主です。以前の記事「契約前に比較したハウスメーカー3社との違い」では検討した会社そのものの比較を書きましたが、今回はもう一段掘り下げて「規格商品と自由設計、どちらを選ぶべきだったのか」を12年住んだ今の実感でまとめます。

この記事でわかること
  • 規格住宅(バーリオ)と自由設計を検討した当時の判断基準
  • 規格商品を選んだことで下がった自由度と、浮いた予算・時間の実際
  • 12年住んでみて感じる、間取りや仕様の「規格であることの功罪」
  • これから検討する人が費用・工期・自由度をどう考えればよいか

家づくりを始めた当初、私たちは漠然と「注文住宅=全部自由に決められる家」というイメージを持っていました。しかし実際に展示場を回り、見積もりを取っていく中で、ハウスメーカーの多くが提示してくるのは完全なフルオーダーではなく、ある程度の型が決まった「規格住宅」や「半自由設計」の商品だと知りました。三井ホームの「バーリオ」(現在の三井ホームSELECTに相当する当時の商品)も、まさにこの半注文の位置づけです。

当時比較したもう一方の選択肢は、地元工務店による完全自由設計でした。工務店の担当者は「間取りも外観も、予算さえ許せば基本的に何でも対応できます」と説明してくれ、正直かなり惹かれました。ただし自由度が高い分、打ち合わせの回数も多くなり、決めるべき項目も膨大になることも同時に説明されました。

規格住宅を選んだ理由と、当時感じていた不安

最終的に私たちがバーリオを選んだ理由は、大きく3つありました。ひとつは予算の見通しが立てやすかったこと。標準仕様がある程度決まっているため、見積もりの変動幅が工務店に比べて小さく感じられました。ふたつめは工期の短さです。設計自由度が高いプランほど打ち合わせが長期化しやすいと聞き、共働きで平日の打ち合わせ時間を確保しにくかった私たちには、ある程度型が決まっている方が現実的でした。三つめは、断熱・気密性能などの構造部分がすでに検証済みのパッケージになっている安心感です。

実際に選んだバーリオは、外観を9パターン、間取りを120パターンから選ぶ仕組みで、玄関の位置・階段の位置・外壁ラインを除けば、水回りの位置や間仕切り壁の変更なども含めて意外と手を入れられる余地がありました。「規格=一切いじれない」というイメージを持っていましたが、実際に営業担当から仕組みを聞くと、思っていたよりも柔軟だったのが印象的でした。むしろ気になっていたのは「規格だから安い部材を使っているのでは」という点でしたが、屋根断熱のパネルや全館空調、断熱材、サッシなど構造・性能に関わる部分は自由設計と同じ標準仕様とのことで、差が出るのは主に設計・監理にかかる人件費の部分だと理解しました。

一方で不安もありました。「規格の中から選ぶだけで、本当に自分たちの暮らしに合う家になるのか」という漠然とした心配です。特に間取りについては、当時は「もっと自由に決められる工務店にすればよかったのでは」と何度も迷った記憶があります。

三井ホームの契約バインダー、規格プランの資料が挟まれている
当時の記録写真。比較検討していた頃、契約バインダーに挟んでいた資料の一部。
初めはすごい良い出来だと思われると思います。私達が見る間取りはやっぱり折り込みチラシなどにある建て売りの簡単な間取りぐらいです。それよりは夢を少しでも実現してくれそうな設計をしてくれたプランを提示されるわけですから感動ものですね。ただ、一社だけでやってるとこれで良いかなと思いますが、複数社いろいろなプランを提案されると良い面悪い面が見えます。 — 当時の建築ブログより(2013年3月)

12年住んでみて分かった、規格を選んだことのメリット

結論から言うと、規格商品を選んだ判断は間違っていなかったと今は感じています。理由は大きく2つです。まず、工期が短かったことで、契約から入居までの期間中に発生する仮住まいの家賃や引っ越し費用を抑えられました。当時は気づいていませんでしたが、検討期間が長引くほど周辺コストは積み上がるものだと、12年経った今振り返るとよく分かります。

もうひとつは、設計が「枯れた」プランをベースにしていたことによる安定性です。断熱性能や間取りの動線など、すでに一定数の施工実績があるパッケージだったためか、住み始めてからの大きな不満は多くありませんでした。もちろん細かい「ここはこうすればよかった」という点は無数にありますが、致命的な設計ミスと呼べるようなものは今のところ経験していません。

それでも自由設計だったらと思う瞬間

正直に言うと、12年住んだ今でも「あの部分は自由設計だったらもっと良くできたかもしれない」と思う場面はあります。特に収納の配置や、家族構成の変化に合わせた可変性の部分です。規格プランをベースにしていたため、間取りの骨格を大きく変えることは難しく、リフォームで対応するにも構造上の制約がありました。この点は、完全自由設計を選んでいれば違った結果になっていたかもしれないと感じる部分です。

ここで書いているのはあくまで私たち家族の12年間の実感です。規格住宅と自由設計のどちらが優れているという話ではなく、「予算の見通しやすさ・工期」を優先するか、「間取りの自由度」を優先するかという、優先順位の違いだと捉えていただければと思います。

規格住宅(バーリオ)と自由設計の比較

比較項目 規格住宅(バーリオ) 自由設計(工務店等)
費用の見通しやすさ 標準仕様が明確で立てやすい 打ち合わせ次第で変動しやすい
工期 比較的短い傾向 打ち合わせ・設計期間が長引きやすい
設計自由度 プランの型の中での自由度 間取り・外観ともに自由度が高い
打ち合わせ負担 決める項目が絞られ負担が少ない 決定事項が多く負担が大きい
12年後の満足度(我が家の場合) 大きな不満は少ない 収納・可変性は工夫次第だったかも
クレーンで木材を吊り上げる上棟作業の様子
当時の記録写真。クレーンで構造材を吊り上げる建築中の一コマ。規格商品は工期も比較的短く済んだ。
ツーバイフォーの構造躯体が組み上がった状態
当時の記録写真。ツーバイフォーの構造躯体。規格・自由設計いずれでも構造性能は同じ標準仕様だった。

12年経って改めて思うのは、「規格商品=妥協」ではなく「規格商品=判断すべきことを減らしてくれる仕組み」だったということです。共働きで打ち合わせ時間の確保が難しい家庭にとっては、むしろ合理的な選択肢だったと今は評価しています。

これから家づくりを検討する方には、規格住宅と自由設計のどちらが優れているかではなく、「自分たちが打ち合わせにどれくらい時間と気力を割けるか」「予算の見通しやすさと間取りの自由度、どちらを優先したいか」を家族内で話し合っておくことをおすすめします。私たちの場合はその優先順位が「予算の見通しやすさ・工期」寄りだったため、規格商品であるバーリオとの相性が良かったのだと思います。

規格住宅は自由設計よりも安いのですか?
当時の私たちの比較では、坪単価そのものが劇的に安いというよりは、標準仕様に含まれる範囲が広く、追加費用が発生しにくい点で総額の見通しが立てやすいという印象でした。会社や商品によって差は大きいので、一概には言えないと思います。
規格住宅だと間取りの自由度はどのくらいありますか?
バーリオの場合、いくつかのプランの型をベースに、部屋の配置や仕様をある程度選んでいく形でした。完全に白紙から間取りを描くフルオーダーに比べると自由度は下がりますが、私たちの家族構成であれば十分満足できる範囲でした。
12年住んで、自由設計にすればよかったと後悔していますか?
全体としては後悔していません。ただ収納の配置や間取りの可変性については、自由設計であればもっと工夫できた部分があったかもしれないと感じることはあります。総合的な満足度は高いですが、部分的な「もしも」は今でも残っています。
規格住宅と自由設計、どちらを選ぶか迷ったら何を基準にすればいいですか?
私たちの経験から言えるのは、「打ち合わせにどれだけ時間を割けるか」「予算の見通しやすさと間取りの自由度、どちらを優先したいか」の2点を家族で先に話し合っておくことです。ここが明確だと、ハウスメーカー選びの軸もぶれにくくなると思います。