Excel作業中にこんなメッセージが出て、動作が止まった経験はありませんか?
利用できるリソースが不足しています。
この操作を完了するには、他のアプリケーションを閉じてください。
このエラーは、Excelが必要とするメモリやシステムリソースを使い切ってしまったときに表示されます。
単純な“メモリ不足”だけでなく、ブック構成やアドインの影響、表示設定など様々な要因が関係します。
この記事では、Excelで「利用できるリソースが不足しています」と表示されたときに確認すべき原因と、今日からできる具体的な改善策をまとめました。
1. このエラーメッセージの意味
Excelには内部で使用できるメモリの上限(ワークシートやアドインなどを含む)があります。
PCのメモリ容量に余裕があっても、Excel自身の制限で動作が止まる場合があります。
代表的なエラーパターン:
- 「利用できるリソースが不足しています」
- 「メモリ不足のためこの操作を完了できません」
- 「Excelが応答していません」
どれも根本は「Excelが処理できる限界を超えた」という意味です。
2. よくある原因
- 巨大なデータ(数十万行以上)を1シートに集約している
- 複雑な数式(配列・INDIRECT・VLOOKUP連鎖など)が多い
- 不要なグラフ・画像・オブジェクトが大量にある
- 複数ブックの同時開きすぎ
- アドインや外部リンクが常に読み込まれている
3. 対処法(すぐできる順に)
① ExcelやPCを再起動する
基本中の基本ですが、キャッシュをリセットできる最も効果的な方法です。
バックグラウンドのExcelプロセスが残っていることも多いため、タスクマネージャーからEXCEL.EXEを終了して再起動しましょう。
② 他のアプリを閉じる
ChromeやTeamsなどの常駐アプリがメモリを圧迫していることもあります。
ブラウザのタブや不要なウィンドウを閉じるだけでも安定することがあります。
③ シートや数式を軽くする
Excelは計算式が多いほどメモリを使います。
- 配列数式を通常数式に置き換える
- 不要な列・行を削除
- 「値貼り付け」で計算を固定化
特に、INDIRECT、OFFSET、VLOOKUPの多用は要注意です。
④ 条件付き書式を整理する
「全行に条件付き書式が設定されている」と、表示処理だけでリソースを使い切ることがあります。ホーム → 条件付き書式 → ルールの管理から、不要なルールを削除しましょう。
⑤ グラフ・画像・オブジェクトを削除
コピー&ペーストで見えないオブジェクトがシート上に大量に存在することがあります。
以下のショートカットで一括削除可能です。
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1 |
F5 → セル選択 → オブジェクト → 削除 |
⑥ アドインを無効化
不要なアドインが常にメモリを使用していることがあります。
手順:
ファイル → オプション → アドイン- 下部の「管理」欄で「Excelアドイン」を選び、「設定」をクリック
- 不要なもののチェックを外す
⑦ 64ビット版Excelを検討
32ビット版Excelは使用できるメモリ上限が約2GBです。
64ビット版に変更すれば、より大容量データを扱えます。
確認方法:ファイル → アカウント → Excelのバージョン情報で「32ビット」か「64ビット」か確認できます。
4. 応急処置:ファイルが開けないとき
開こうとした瞬間に「リソース不足」で落ちる場合は以下を試してください。
- 安全モードで開く:
Win + R → excel /safe - 別のPCで開く
- Googleスプレッドシートで開いて中身を分割保存
5. 再発防止のポイント
- 1ブックにすべてのデータを詰め込まない
- 大量データはAccessやPower Queryなどの外部データベースを利用
- 自動計算を「手動」に設定(
数式 → 計算方法の設定) - 定期的に不要なシートやセル範囲を整理
6. まとめ
「利用できるリソースが不足しています」は、Excelの処理限界を超えたときに出るサインです。
多くの場合、不要な数式・オブジェクト・アドインを整理するだけで改善します。
根本対策として、Excel依存を減らし、Power QueryやBIツールへの移行も検討するとさらに安定します。
まずは「軽くする」「閉じる」「再起動する」から。地味ですが、確実な対処です。



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